【亜州ビジネス編集部】中国の宅配業務量が急拡大している。国家郵政局のリアルタイム監視データによると、全国宅配サービス企業の業務量は年初から4日午後6時26分までの時点で、初めて1200億件の大台に乗せた。1000億件超えは2021年から3年連続となる。1200億件目となった荷物は、雲南省昆明市から四川省成都市に送られた宅配小包だった。北京日報などが5日付で伝えた。
　中国の宅配業界はここ数年で安定した伸びを維持し、業務量は年間100億件から月間100億件に膨らんだ。国際化レベルは急速に向上し、宅配サービスネットワークは全世界を網羅している。
　中でも23年に入り、国の内需拡大戦略などを受けて、全国各地域、各部門が消費の回復と拡大を優先させていることが宅配業務量の力強い伸びを牽引している。データによれば、23年3月以降、単月の宅配業務量は100億件を超過。月間の平均業務収入は900億人民元（約1兆8680億円）を上回り、過去最高となっている。11月の繁忙期以降も業界は高水準の運営を持続。1日当たりの平均宅配業務量は4億3000万件を超えている。
　宅配業界はここ数年でサービス組織モデルの最適化に取り組んでいる。ハイテク投資を拡大し、ビッグデータに加えて、前線倉庫（住宅エリアの近くに設置された小型の配送用倉庫）の設置を加速。より迅速な配達サービスを実現している。また小包の処理効率を向上させるスマート計量自動仕分け設備、キャンパス内や地方農村の遠隔地における配達速度を向上させる無人車両やドローンなどを導入している。
　さらに宅配業界は道路、鉄道、航空、水運が一体となるマルチモーダルなどの総合交通運輸システムを情報技術、スマート設備と積極的に融合させ、貨物の回転と流通も促進している。


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