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  ニュース     2024/03/26 18:00

中国:eVTOL審査急ピッチ、億航智能が全世界の先導者に 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】電動垂直離着陸機(eVTOL)製品の認証審査ピッチが加速している。峰飛航空科技有限公司(AUTOFLIGHT)の無人操縦航空機システム「V20000G」は22日、中国民用航空華東地区管理局から型式証明書(Type Certificate、TC証明)を受けた。トン級以上のeVTOL(電動垂直離着陸)航空機の型式認証を世界で初めて得ている。「低空経済」の急成長が期待される状況だ。小鵬汽車(Xpeng)系の小鵬匯天(HT Aero)に関しては、開発コード「X3-F」の飛行車がTC証明を申請したとこのほど報じられている。21世紀経済報道が26日付で伝えた。
 飛行車が正式離陸する前に、一般的にはTC証明、製造証明(Production Certificate、PC証明)、耐空証明(Airworthiness Certificates、AC証明)などを取得する必要がある。メーカーは「TC証明」と「PC証明」が交付されることで、販売または商業運用が可能。また、各飛行車には「AC証明」が必要で、これにより開放された低空飛行区域で飛行できることが証明される。
 広州億航智能技術(EHang、EH/NASDAQ)、峰飛航空、沃蘭特航空(VOLANT)、御風未来(Vertaxi)、小鵬匯天などは、関連する承認手続きを迅速に進めてきた。ただ、TC、PC、ACの3証明を得た企業はまだない。
 業界を先導する億航智能は2023年10月、中国民用航空局からTC証明を取得し、eVTOLの先駆者に躍り出た。中央経済工作会議は同年12月、低空経済を戦略的新興産業に位置付けると決定。億航智能の旅客輸送無人航空機「EH216-S」は同月、AC証明を得た。
 億航智能の胡華智・董事長は今月15日、PC証明に言及し、当局による審査の最終段階を迎えていると説明。近く3証明を全取得するとの見通しを示した。「EH216-S」の希望小売価格は239万人民元(約5020万円)に定めている。18日はECサイトの淘宝を通じ、199万人民元で売り出した。試験提供中の「EH216-S」は、年間の全世界販売実績が22年に21機、23年に52機を数えたという。一方、ライバルの峰飛航空は、内外の受注が累計200機に達したとコメントした。
 調査機関によると、eVTOL製品の開発事業プロジェクトは世界全体で約700件を超える。うち235件はベクトル推進構造、124件はリフト+スカイボルト推進構造、95件はマルチローター構造、103件はホバリングや個人用飛行機、47件は電動回転翼機設計などだ。世界48カ国の企業347社やイノベーション機関が関わってきた。主要な開発国は米国(124件)、英国(24件)、中国(21件)、ドイツ(19件)、カナダ(17件)などで占められる。
 ただ、これらの企業を含め、現在まだ1社のeVTOLもアメリカ連邦航空局(FAA)または欧州航空安全機関(EASA)の完全な認証を取得していない。将来2~3年内に関連認証を取得すると予測される企業はごく一部にとどまる。


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