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  ニュース     2023/09/04 16:15

中国:華為5G新機種に米国焦燥、「制裁でも開発阻止できず」 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】華為技術(ファーウェイ)が第5世代(5G)移動通信対応の最新フラッグシップスマートフォン「HUAWEI Mate 60 Pro」を発売したことで、対中制裁は中国の重要な技術的進歩を阻止できなかったとのではないかとの懸念が米国政府内に生じている。米国半導体業界からは、制裁は中国を止められないばかりか米国に代わる国産技術の開発努力を倍加させるとの警告が出されていたが、これが証明された可能性がある。米ワシントンポストが2日報じた。

 米国が対中半導体規制に注力したにもかかわらず、Mate 60 Proには中国で設計・製造された先進プロセス半導体が搭載された。米ビジネスコンサルティング企業、オルブライト・ストーンブリッジ・グループの技術政策責任者、ポール・トリオロ氏は、ファーウェイの新機種は「同社のかつての全ての技術サプライヤー、特に米国企業にとって大きな打撃だ」と述べた。米国の技術を使わずに設計し、西側の最先端モデルには及ばないものの、かなりの性能を備えた製品を製造できることを示したのが地政学的に重要と指摘した。米国の反応については、ファーウェイの米国サプライヤーに対して輸出管理のさらなる厳格化を求める声が強まるのはほぼ確実と語った。一方で、米国半導体企業は市場シェア維持のためにファーウェイなどの中国顧客に対し、5Gに応用されない一般半導体の出荷維持を希望するとの見方も示した。

 「半導体戦争」の著者であるクリス・ミラー教授も「今回はファーウェイなどの中国企業が豊富なイノベーション能力を持っている事実を示した。輸出規制をさらに強化するか否か、ワシントンで活発に議論されるだろう」と述べた。Mate 60 Proのプロセッサーを受託生産したとの観測が流れている中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)に対しては、「台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)など同業他社とは技術能力で依然大きな差がある。現時点では同社の生産規模とコストが国際的な競争力を持つか否かは分からない」と指摘した。


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