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  ニュース     2023/10/05 12:00

欧州の中国製EV反補助金調査に強い不満=商務部 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国商務部は4日、欧州連合(EU)が中国製の電気自動車(EV)に対する反補助金調査に着手することに関し、損害の脅威に基づき、主観的な判断に基づいていると反論した。充分な証拠がない上、世界貿易機関(WTO)の関連規則にも違反していると主張。中国側はこれに強く不満を表明すると強調している。毎日経済新聞などが伝えた。

 EU側は迅速な協議を求めているにもかかわらず、有効な協議資料を提供しておらず、中国の権益に重大な損傷を及ぼすと訴えている。今後の調査手続きを注視し、中国企業の合法的な権利を断固として守るとの方針を示した。

 また、9月25日の「第10回中国・EU経済貿易ハイレベル対話」でも、中国はEUの調査措置が「公平な貿易」を名目に自国産業を保護しようとしていると明確に指摘。これは明白な排他主義で、EUを含む世界の自動車産業チェーンに混乱をもたらし、中欧の経済・貿易関係にネガティブな影響を与えるなどと主張したという。

 自動車業界団体の中国汽車工業協会(CAAM)もまた、EUによる今後の調査手続きを注視し、自国企業の合法的な権利を断固として擁護すると表明した。中国企業はEV市場競争の分野で需要を探求し、新製品の革新的な開発を続ける。動力バッテリーシステム、新たなシャシー構造、スマートドライブシステムなどの中核技術力を磨き、包括的な産業供給チェーンを構築し、EUを含む世界のユーザーに届ける。中国製NEVの21年総輸出台数の49%は、欧州市場に向かったと説明した。

 こうしたなか、欧州連合が中国製EVに対する「反補助金」調査を検討する理由に関し、国内では欧州市場シェアを近年争っている実態に関連しているとの見方が優勢だという。ユーロスタット(欧州連合統計局)のデータによれば、欧州が海外輸入した中国製EVの台数は20年以降急増し、同じ期間に欧州が対中輸出したEV台数を上回った。

 中国NEV製品の販売拡大ピッチは、全世界をリードしている。公開データによると、2023年上半期の新車販売に占めるNEV台数は、中国で27%にまで拡大。世界平均の15%を大幅に超えた。この比率は欧州(ドイツ18.6%、フランス19.4%など)で16.7%、韓国で8.7%、米国で8.6%、日本で2.9%に過ぎない。

 EUのフォンデアライエン欧州委員長は9月13日、中国のEVに対する反補助金調査を開始すると発表した。安価な中国製EVが世界にあふれている点を問題視。「巨額の政府補助金によって価格が人為的に低く抑えられている」などと述べた。


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