【亜州ビジネス編集部】欧州の航空機大手メーカーが中国の需要予測を引き上げた。エアバスはこのほど、2023〜42年の20年間にわたる中国ジェット機需要について、合計9440機に上るとの見通しを提示。世界全体の23％が調達されると予想した。年率平均5.2％のピッチで伸び続けると分析している。毎日経済新聞などが4日までに伝えた。
　中国国民1人当たりの旅客機利用回数については、2019年の0.5回から42年の平均1.7回に増えると想定している。中産階級の拡大に合わせ、旅客機の総需要も伸び続けると楽観した。
　エアバスは21年時点で2022〜41年のジェット旅客機需要に関し、合計8420機に上ると予測。世界全体（3万9500機）の21.3％を占める見通しと報告した。
　中国マーケットを重視する同社は、天津工場の生産能力を倍増する。今年4月6日、天津に2本目の組立生産ラインを設置すると発表し、天津保税区投資有限公司、中国航空工業集団有限公司と現地投資に関する覚書を交わした。A320ファミリー（A320、A321）の増産に注力する。
　第2組立生産ラインは25年末の正式稼働を想定する。A320ファミリーの月産規模に関し、エアバスは26年に世界全体で75機まで引き上げる計画だ。天津工場の生産機体の70％はA321とする。
　中国のエアバス機保有は、23年3月末時点で2100機を超えた。中国民間ジェット機全体の過半を占めている。


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