【亜州ビジネス編集部】ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ（DW）などによると、在中国欧州連合（EU）商工会議所は11日に公表した最新文書で、中国政府が約束した改革が実現せず問題が拡大しているため、欧州企業にとって中国市場の魅力がさらに低下していると警告した。イェンス・エスケルンド会頭は「ますます多くの欧州企業が限界を迎えている。投資で見込める利益より、経営上の課題が大きくなり始めた」と指摘。「中国市場でのビジネスはさらに難しくなっている」などと語った。

　同商工会議所は年次リポートでも「一部の企業にとって、中国投資のリスクは利益を上回り始めている。企業の懸念が解消されない限り、この傾向はさらに強まる」と指摘している。

　リポートによれば、同商工会議会員企業の3分の2が「中国事業の利益は、世界平均と横並びか、やや低い」と指摘。将来を悲観する企業の割合は、歴史的な高さとなっている。

　企業の懸念は、経済回復力の弱さ、市場参入の困難さ、中国国内の消費低迷など。中国に対する信頼感は歴史的な最低レベルにまで低下している。中国が国家安全保障を理由に「データセキュリティ法」などを施行したことも、企業の不安をさらに高めたという。法律コンサルティング費用の拡大にもつながっている状況だ。


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