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  ニュース     2025/04/22 10:44

CATLがBYD上回る急速充電、ナトリウム電池も量産開始へ 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】車載バッテリーの世界最大手、寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)は21日、第2世代「神行」バッテリーを発表した。同社によると、この最新のリン酸鉄リチウム(LFP)電池は、わずか5分の充電で520キロメートル(km)の走行が可能。比亜迪(BYD:1211/HK)が今年3月に発表した急速充電バッテリーを上回る超急速を実現した。証券時報など複数メディアが21日までに伝えた。

 CATLによると、第2世代「神行」バッテリーの航続距離は800km。零下10度の低温環境下でも、電池残量5→80%までの充電を15分で完了できるという。年内に吉利汽車(175/HK)傘下のZEEKRインテリジェント・テクノロジー(ZK/NYSE)、蔚来集団(NIO:9866/HK)など67モデル以上のEVに搭載される予定だ。

 CATLは併せて、ナトリウムイオン電池のブランド名を「Naxtra」としたことを表明。今年6月から、一汽解放(000800/SZ)など大型トラック向けのバッテリーとして生産を開始する。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)向けでは、今年12月に量産を開始する予定だ。「Naxtra」バッテリーの航続距離はEVで500km、HVで200kmだという。

 資源が豊富なナトリウムを使用するため、ナトリウムイオン電池はリチウムイオン電池に比べて安価というメリットがある。EVのコストダウンに貢献する技術として期待されている格好だ。また、原理的にリチウムイオン電池に比べ、熱暴走のリスクが低いとされる。CATLは「Naxtra」バッテリーに穴を開けたり、切断したりしても発火や爆発が起こらないとするテスト映像を公開し、安全性を強調した。

 競合するBYDは今年3月、EV向けの新たな急速充電技術を発表。新型セダン「漢L」でのテストの結果、5分間の充電で航続距離470kmを実現した。同社によると「ガソリン車が給油するのとほぼ同じ速さで充電が可能」になるという。

 米テスラ(TSLA/NASDAQ)の「スーパーチャージャー」は15分間の充電で275kmの走行が可能。CATLやBYDの新技術はこれを大幅に上回るものだ。ただ、テスラの充電ネットワークは広範で、世界に6万5000カ所以上のスーパーチャージャーが設置されている。


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