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  ニュース     2024/08/08 15:59

長城汽車トップが不当競争と苦言、小米EVには高めの「95点」付与 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】長城汽車(2333/HK)の魏建軍・董事長は8日、現在の中国自動車市場について、一部メーカーが不当競争や「造假」(いかさま)を行うなど、混乱した状況にあると苦言を呈した。秩序のある競争環境を確保するため、「政府が求めれば、業界監査を一度行ってみるべき」とコメント。自社の経営は透明性が高いと強調した。証券時報が8日伝えた。
 中国の自動車業界では、過熱する価格競争によってメーカーの利益が削られている状況。比較的経営が安定したメーカーでも、人員削減や減給などのコスト削減策を強いられている。こうしたなか、今年に入り、自動車メーカーの経営トップが相次いで業界の「内巻」(不毛な過当競争)に懸念を示している形だ。広州汽車集団(2238/HK)の曽慶洪・董事長はこれより先、「企業の目的は利益であり、利益をあげてはじめて、納税や雇用創出などの社会貢献を果たすことができる」と述べている。
 長城汽車の魏董事長も今回、「企業が利益を出せなければ、遠くまで走ることはできない」とコメント。ビジネスは堅実で、長期的な継続性を目指すべきとの経営理念を明らかにした。
 一方、電気自動車(EV)市場に新規参入した小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)について魏董事長は、「雷軍氏(小米創業者)はわずか3年で自動車を造った」と評価。小米のファーストモデル「SU7」に「95点」の得点を付与した。一部欠点はあるものの、どのメーカーにもそうした部分はあると指摘している。
 国家統計局の資料によると、中国自動車製造業の売上高利益率は今年1~6月に5.0%に悪化。17年が7.8%、18年が6.3%、19年が6.3%、20年が6.2%、21年が6.1%、22年が5.7%、23年が5.0%と徐々に低下している。業界団体である全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)の崔東樹・秘書長は、今年1~6月の数字について、川下業界の平均利益率(6.4%)を下回っていると指摘した。


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