詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

  ニュース     2025/04/08 15:25

資源リサイクルの中国資源循環、主要都市でスマホ回収始動 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】資源リサイクル事業を展開する国策企業が使用しなくなったスマートフォンの回収事業に乗り出した。中国資源循環集団有限公司(China Resources Recycling Group)はこのほど、不要スマートフォンの安全回収・処理モデル事業の試験運用を完了。今後は主要都市を対象に本格展開していく予定という。中国政府系メディアが7日付で伝えた。

 金や銀などの貴金属が含まれる電子機器や家電製品は、極めて大きな潜在価値を持っている。ただ、廃棄されたスマートフォンはデータの安全性や個人情報保護が必要になるだけに、リサイクル時には特別な処理が必要だ。

 中国資源循環の説明によれば、スマートフォンが回収拠点に到着した後は、機密処理専用エリアで安全に分解され、機械による破砕、最終的な溶解処理を経て、安全に廃棄される。回収、分解、破砕に至るまでの全プロセスは、すべて可視化・監視可能・トレーサブル(追跡可能)で運営される仕組みだ。同時に貴金属やレアメタルを効果的に抽出する。

 各省都都市の消費者は、2025年4月3日からミニアプリ「芯碎無憂」を通じた回収申請が可能になった。利用者は、訪問型の現地破壊サービスを選ぶことも、機密配送による回収を選ぶこともできる。

 今後は資源循環利用のサプライチェーンをさらに円滑化し、スマートフォンの安全回収・処理モデルをパソコンやハードディスクなど他の電子・電気製品全体まで段階的に広げていく予定だ。廃棄電子・電気製品の末端回収・再資源化プラットフォーム、廃電子製品の段階的利用取引プラットフォームを全国的に構築するという。

 中国資源循環集団は2024年10月18日、天津市で発足した。中国石化、中国宝武、中国五鉱、華潤集団、中リョ集団など多数の中央企業(中央政府直属の国有企業)が出資している。

 「循環経済の発展」は中国の重要戦略だ。2021~25年の第14次5カ年計画に基づく目標では、25年までに資源循環型産業システムを基本的に確立する。循環利用産業の生産額は5兆人民元(約100兆7500億円)に達する見込み。年間の大規模固体廃棄物の利用量約40億トン、主要な再生資源の循環利用量4億5000万トン、生活ごみの資源化利用率約60%を目指す。

 賽迪顧問(CCIDコンサルティング)傘下の双炭経済研究センターによると、中国の資源循環利用産業は、23年に前年比13.1%増の4兆774億4000万人民元規模に拡大した。これに基づき計算すると、上記の「5兆人民元」目標達成には、産業規模は毎年2ケタ成長を持続する必要がある。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース