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  ニュース     2024/11/12 09:54

中国:西部陸海新ルートで貿易拡大、1~10月は9%増の24.5兆円 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】全体計画の公布から5周年を迎えた中国西部と東南アジアをつなぐ物流ルート「西部陸海新通道(西部陸海新ルート)」を経由した貿易活動が活発化している。海関総署(税関)の最新統計によれば、今年1~10月にかけて、同輸出入額は前年同期比8.8%増の1兆1500億人民元(約24兆5109億円)に積み上がった。西部陸海新ルートを通じた対外貿易が継続的に拡大している状況だ。中国政府系メディアが11日付で報じた。

 西部陸海新ルートは過去5年間に鉄道と海運を一体運用する「マルチモーダル(複合輸送)」「国際鉄道複合輸送」「越境シャトルバス輸送」からなる3種類の輸送方式を構築した。西部陸海新ルートは中国西部地域の内陸部に位置し、北部はシルクロード経済ベルトと南部は21世紀海上シルクロードにつながっている。重慶市を運営センターとして、広西、貴州、甘粛、青海、新疆など西部地域に結節点を設置。鉄道、海上、道路の輸送方式通じて世界各地にアクセスする。なかでも同ルートを通じて、中国とASEAN(東南アジア諸国連合)諸国との間の貨物往来が加速している状況だ。目的地は過去5年間で、当初の71カ国・地域、港湾166カ所から124カ国・地域、港湾542カ所に拡大。平均5日ごとに新たなステーションが追加されている。鉄道と海運を一体運用する「マルチモーダル」列車の総運行本数は3万本を超えた。

 西部陸海新ルートを経由する輸出入貨物の種類は、当初の80種から1160種に拡大。電子製品、完成車および部品、機械など10大カテゴリーに及ぶ。沿線の対外開放口岸は111カ所、総合保税区は48カ所となり、西部地区の発展・対外開放の新たな原動力となった。また「一帯一路」周辺国家・地域にも新たな成長チャンスをもたらしている。

 国家発展改革委員会は2021年に「西部陸海新ルートの高品質な建設推進に関する第14次5カ年計画(2021~25年)」を公布。25年までに経済的、効率的で利便性が高く、グリーン、安全な西部陸海新ルートの基本的な建設を完了し、沿線エリアの経済、産業発展に寄与する方針を打ち出している。


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