【亜州ビジネス編集部】飲食店レビューやデリバリー事業を手がける美団（メイトゥアン：3690/HK）がドローン（無人航空機）を利用した低空物流を一段と推進する。中国民用航空局（民航局）はこのほど、美団グループが開発した第4世代ドローンに関し、低空物流全域カバー運航適合証（OC）を与えた。全国初のOCとなる。快科技などが22日付で伝えた。

　6軸（前後左右上下）ジャイロ小型マルチコプターの第4世代を利用し、美団は全国範囲で常態的な商業運航を開始できる。中国全域で物流輸送を手掛ける初の低空運航事業者となった。配送可能な商品は9万種を超え、飲食、化粧品、日用品などを含む。

　第4世代は都市低空物流配送に特化し、マイナス20度～プラス50度の中雨・中雪・風速6級（秒速10.8～13.8m）・夜間などの多様な環境でも安定飛行が可能。国内都市97％以上の自然環境要件に適応する。スペックは最大積載2.5kg、最大離陸重量9.5kg、満載時往復半径5km、満載時最大配送距離10km、最高速度83km/h、IP45（防噴流型ギャラリー）防護。

　ラストワンマイル配送が平面道路網から立体空域へと飛躍する。運航の常態化を通じ、「即時物流＋低空ネットワーク」の乗数効果を生む見込みだ。

　美団のドローンを使用した急速配送サービスは、2017年に始動している。21年初にはフードデリバリーを初受注し、正式な試験運用に着手した。24年末までに深セン、北京、上海、広州、南京などで全国53航路を開設した。配達先はオフィスやコミュニティ、観光地、庁舎、公園、キャンパス、図書館を網羅する。24年の配達実績は前年比で倍増の20万件超に達した。通年で8万人を超える新規ユーザーを獲得したという。


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