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  ニュース     2025/12/09 13:56 NEW!!

希少性低下で「ラブブ」バブル崩壊、ポップマートに不透明感=ドイツ銀 無料記事

【亜州ビジネス編集部】ドイツ銀行は最新リポートで、泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ:9992/HK)のIP「Labubu(ラブブ)」が希少性を失い、価値が低下するとの見通しを示した。ドイツ銀によると、需要の拡大に対応するため、ラブブの生産能力は今年上半期(1~6月)の月平均1000万個から年末には同5000万個に大きく拡大している。「クールさ」や「希少性」などの属性に依存するトレンドトイにとって、「大衆化」は往々にしてブーム終息の前兆とされると指摘。さらに、消費者がラブブに対して「トレンド疲れ」を起こし、商品としての魅力が低下することへの懸念も示した。香港メディアの信報が9日付で伝えた。

 ドイツ銀によると、今年8月以降、ラブブおよびその他IPの市場プレミアムは低下傾向にある。ラブブ3.0および4.0の通常モデルは、中古市場で既に公式小売価格を下回る水準まで値下がりしているという。うちラブブ3.0の価値はピーク時から81%下落した。

 ドイツ銀はポップマートの先行きは依然として大きな不確実性があるとし、2つのシナリオを提示している。悲観シナリオでは、ラブブの人気が2026年にピークを迎えた後に低下し、ポップマートが後継となる有力な新IPを打ち出せないと仮定。その場合、同社の中国市場の売上高は26年に前年比20%減、海外市場は同10%減となり、純利益は約106億人民元(約2340億円)まで落ち込むと試算している。なお、24年の純利益は130億3774万人民元、25年中間期は45億7436万人民元だった。

 一方、楽観シナリオでは、ポップマートの成長モメンタムが持続し、かつ爆発的な新IPの投入に成功すると仮定。中国市場の売上高は26年に前年比30%増、海外市場は同50%増と大幅な伸びが見込まれ、純利益は231億人民元を超えるとみている。

 ドイツ銀はポップマートの投資判断を「中立」に設定。目標株価は228.00香港ドルとした。


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