【亜州ビジネス編集部】中国の国家市場監督管理総局（市場監管総局）は17日、「中国広告業発展指数報告」を公表した。同指数は2024年に128.4ポイントとなり、前年比で8.0％上昇。広告業界の質的成長が継続している。中国政府系メディアが同日付で報じた。

　中国広告業界の規模は安定的に拡大。全国の広告事業者と一定規模以上の企業による広告業務収入は24年に前年比17.9％増の1兆5464億人民元（約31兆円）に膨らんだ。うち全国24省（自治区・直轄市）の広告業務収入が前年比で増加。うち15省では同収入が100億人民元を超えた。

　市場監管総局広告監督司の劉輝・一級巡視員は、グローバル広告大手GroupMの推計を引用し、「中国は24年に世界2位、アジア太平洋地域最大の広告市場の地位を維持し、世界の主要10カ国の中で増収率が最も高かった」と述べた。

　デジタル広告の急速な成長が中国広告業界の持続的発展とイノベーションのカギとなっている。インターネットが主要な広告配信メディアとなり、24年のインターネット広告収入は前年比で24％増加した。伝統的メディアはデジタル化転換を加速する一方、新興メディアが市場拡大を牽引。広告業界における新たな生産力の形成が急速に進んでいる状況だ。

　一方、広告業界の量から質への転換が課題だ。インターネット広告における量的拡大に対し、質の向上が追いつかず、虚偽広告や違法広告が多発している。こうした現状を受けて、市場監管総局は「インターネット広告管理弁法」を改正し、「インターネット広告識別性執法ガイドライン」を公布。各地の市場監督部門が法に基づく取り締まりを強化した。25年第1四半期（1～3月）に違法案件5642件を摘発し、罰金額は5091万人民元に達している。24年通年では前年並みとなる計4万6900件の違法広告案件が摘発され、罰金は3億5000万人民元に積み上がった。


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