【亜州ビジネス編集部】今年6月末の人民元建て貸出は、中国全体で前年同月比7.1％増の268兆5600億人民元に上った。増加率は4月、5月と2カ月連続で縮小していたが、6月は鈍化が止まっている。中央銀行の中国人民銀行が発表した。

　1～6月の人民元建て貸出の増加額は12兆9300億人民元に上る。うち企業・事業単位向けは11兆5700億人民元、個人向けは1兆1700億人民元ずつ増えた。2024年1～6月の増加額は、貸出全体で13兆2700億人民元、企業・事業単位向けが11兆人民元、個人向けが1兆4600億人民元などで推移し、企業・事業単位向けが前年を上回っている。

　家計向け貸出の1～6月の内訳は、消費者ローンを含む短期貸出が減る一方、住宅ローンが含まれる中長期貸出は1兆1700億人民元増えている。2024年1～6月はそれぞれ2764億人民元、1兆1800億人民元ずつ増加していた。

　6月末の社会融資総量残高は、8.9％増の430兆2200億人民元に達し、増加率は5月の8.7％から拡大し、伸びは24年2月の9.0％以来の水準に高まった。政府債券は21.3％増の88兆7400億人民元に拡大し、伸びは5月の20.9％を上回った。外貨建て貸出の減少率が4月の31.5％から26.6％に縮小したことも、社会融資総量の増加率拡大の一因となっている。

　6月末のマネーサプライ（M2）は、8.3％増の330兆2900億人民元に達し、増加率は24年3月以来の高さとなった。人民元建て預金は8.3％増の320兆1700億人民元に拡大し、伸びも5月の8.1％から加速している。

　金融期間の総資産額は、3月末時点で7.5％増の512兆1000億人民元に達し、増加率は24年末から不変だった。うち銀行業は6.8％増の458兆9900億人民元、証券業は8.7％増の15兆2700億人民元。保険業は15.2％増の37兆8400億人民元で、伸びは24年末の19.9％から鈍化したものの、10％を超える拡大が続いた。


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