【亜州ビジネス編集部】レーザーレーダー（LiDAR）世界大手の禾賽科技（ヘサイ・グループ：2525/HK）が8～11日の日程でブックビルディングを実施する。16日の香港メインボードへの重複上場を目指し、12日に値決めする。

　売買単位は20株、公募の仮条件は228.00香港ドルを上限とする。クラスB普通株1700万株を公開し、9割を機関投資家、残りを一般投資家に振り向ける。228.00香港ドルで値決めされた場合の調達額は手数料などを除く手取り概算で38億610万香港ドル（約724億円）。うち50％を研究開発投資、35％を生産能力のアップグレード、5％を業務拡大、残りを運転資金などに充当する。

　2014年設立の同社は上海市を拠点に、3次元LiDARの設計・開発から製造・販売までを一貫して手がける。先進的なASICやその他LiDAR技術、独自の設計・生産体制、プラットフォーム化されたアーキテクチャを活用し、拡大を続ける先進運転支援システム（ADAS）およびロボティクス市場に向けて、性能・品質・コストのバランスに優れたLiDAR製品を提供している。同社のLiDAR製品はADASを搭載した乗用車・商用車に加え、自動運転車両や配送ロボット、移動ロボットなど多様なロボティクス分野で活用されている。市場調査会社の灼識諮詢によると、22～24年にかけて、売上高ベースで世界最大のLiDARサプライヤーだ。22年9月には、単月の出荷台数が1万台を突破した世界初の企業となり、24年12月には10万台を超える初の事例を達成した。市場別（売上高ベース）では、ADAS市場で世界第3位、ロボティクス市場で3年連続（22～24年）の世界首位を維持している。

　23年2月には米ナスダック市場に上場。ADS（米国預託証券）を1株当たり19米ドルで1000万株発行し、1億9000万米ドル（約281億円）を調達した。中国LiDAR企業で初の米国上場を実現している。株主には小米集団(シャオミ・コーポレーション：1810/HK)、百度集団(バイドゥ：9888/HK)、美団(メイトゥアン：3690/HK)、ヒルハウス・キャピタル、独ボッシュなどが名を連ねる。顧客には理想汽車(リ・オート：2015/HK)、ZEEKRインテリジェント・テクノロジー（ZK/NYSE）、浙江零ホウ科技(ジャージアン・リープモーター・テクノロジー：9863/HK)など複数の中国自動車メーカーが含まれる。

　直近3期の売上高は22年12月期が12億267万人民元、23年12月期が18億7698万人民元、24年12月期が20億7715万人民元。純損益は3期連続の赤字（7億4718万人民元、4億7596万人民元、1億273万人民元）となっている。


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