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  ニュース     2025/05/27 10:56

中国:フードデリバリー「内巻」競争を人民日報が批判、美団など名指し 無料記事

【亜州ビジネス編集部】中国共産党の機関紙、人民日報は26日、国内フードデリバリー市場での悪性競争を批判する論説記事を掲載した。「内巻式」(無秩序な内部競争)の過当競争が社会資源を浪費しているとの論説において、フードデリバリー市場を事例に挙げている。状況によっては、政府が介入する必要性も生じるとの見解を示した。香港メディアの信報が27日付で伝えた。

 人民日報は論説記事で、今年に入って京東集団(JDドットコム:9618/HK)がフードデリバリー市場に参入して以来、業界の変化が注目を集めていると指摘。京東だけでなく、既存プレーヤーの美団(メイトゥアン:3690/HK)、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)傘下の「餓了麼(ウーラマ)」が巨額の資金を投じ、価格競争を激化させている現状に言及した。こうした「内巻式」競争は、短期的には消費者にメリットをもたらすものの、長期的には業界の持続的発展にとってマイナスになると説明している。

 また、低レベルの「内巻式」競争は多くのプレーヤーに損失をもたらす結果を招くと指摘。市場の効率性と政府の役割を両立させ、必要な時には政府が介入すべきとの見解を示した。その上で、監督当局は市場競争を止めるのではなく、プラットフォーム企業が価格競争を脱するよう指導する必要があると主張。既存顧客を奪い合うのではなく、新たな需要を創出することで、技術革新などを重視する「健全な競争」へと導く必要があるとした。

 実際、国家市場監督管理総局など5部門は先ごろ、京東、美団、餓了麼などのプラットフォーム企業を呼び出して面談を行い、「公平で秩序ある競争」と「良好な市場環境の構築」、さらに「プラットフォーム経済の健全な発展」のために内部管理を強化するよう求めたとされる。これについて人民日報は、「内巻」阻止に向けた政府の明確なサインだと強調した。


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