【亜州ビジネス編集部】米中が一時的な関税大幅引き下げで合意したことを受け、中国輸出業者が貨物船の船腹確保を急いでいるようだ。上海市の物流会社では、米中が共同声明を発表した12日の夜に、予約問い合わせが直近の3～4倍に急増した。例年6～9月は対米輸出の繁忙期に当たることもあり、短期的に輸送力がひっ迫すると予測されている。第一財経が13日付で伝えた。

　前出の物流会社によると、8月上旬までの90日間の関税猶予期間を利用するには、6～7月に中国の港湾から出荷する必要がある。米中の関税引き上げにより、4月は大量の貨物が輸出されず、積み上がった状態となっていた。これに加え、例年6～9月は年末商戦に向けた米国向け製品の出荷が増える時期に当たるため、目先は輸送力のひっ迫が予想されている。

　中国の海関総署（税関）が先ごろ発表した4月の貿易統計では、米国向け輸出額が330億2400万米ドル（約4兆8500億円）となり、前年同月の実績値との比較で21.0％減少した。「トランプ関税」の影響を受けた格好で、3月の9.1％増から一転、マイナス成長に沈んでいる。なお、同月の中国全体の輸出額は前年同月比で8.1％増加した。


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