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  ニュース     2019/07/19 08:38

中国:高級オフィスビル空室率が上昇、主要都市で数年来ぶり高水準 無料記事

 中国の各大都市圏で、高級オフィスビルの空室率が直近数年来の最高レべルにまで上昇(=悪化)している。新たなビルの竣工が相次いでいる要因が大きい。産業グレードアップの任務を担う各地方政府も、オフィスビル建設地の売却を推進してきた経緯がある。毎日経済新聞が19日付で伝えた。
 不動産仲介コンサルティングのコリアーズ・インターナショナルによれば、首都・北京市の高級オフィスビル空室率は、2019年上半期に0.9ポイント上昇。6月末時点で11.5%に達し、過去8年来の最高を記録した。7プロジェクトの合計約61万平米が下半期に供給されるなか、年末時点では15.1%にまで高まる見通しという。
 深セン市や広州市も上昇傾向にある。今年6月末の深セン市では、高級オフィスビルの空室率が23.3%にまで上昇した。深セン市全体の高級オフィスビル面積は553万平米。年初比で8.3%、前年同期比で19.3%ずつ拡大した。
 商都の上海市でも、空室率の悪化が持続。商業不動産仲介サービスの米CBREによれば、今年6月末の高級オフィスビル空室率は18%に上る。直近10年近くの最高水準を切り上げた。
 オフィスビルの稼働率低下は、中国社科院城市所と社会科学文献出版社も共同報告している。5月23日に発表された「中国不動産発展報告No.16(2019)」によれば、主要17都市(北京、天津、大連、瀋陽、青島、上海、南京、杭州、寧波、蘇州、無錫、広州、深セン、成都、重慶、武漢、長沙)のオフィスビル空室率は、19年末時点で平均20%超えが視野に入った。これら17都市の新規オフィスビル供給面積は、今年通年の合算で1000万平米を超える見込み。18年比実績で6割以上も増える計算だ。19年末の時点では、武漢市や長沙市、青島市で空室率が過去最高を記録すると予測。3年前の供給不足から一転し、広州市も需給バランスが緩むとみられる。
 半面、需要の減退が進行中。19年のオフィスビル需要について、18年の537万平米(前年比↓12%)から530万平米に縮小すると分析した。中国東部の港湾都市を中心に、米中貿易摩擦の影響で需要が縮小しているという。


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