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  ニュース     2019/07/26 08:43

中国:財務不安の中小地銀、AMCによる買収・再編検討か 無料記事

 財務不安が高まる地方の中小銀行に対し、中国金融当局は国有資産管理会社(AMC)による買収・再編を検討しているもようだ。具体的な方法などは未定だが、4大AMCにこれらの銀行の管理を任せることで地方政府の関与を減らし、ガバナンスを改善する狙いという。外電が26日、消息筋情報として伝えた。
 あるAMCの幹部によると、地方銀行が抱える最大の問題は、地元政府による経営への干渉が大きすぎること。地元政府の意向に応じる形で、多額の融資実行を迫られている。こうした中、一部の地銀は不良債権が大幅に増加し、不良債権引当カバー率(不良債権に対する貸倒引当金のカバー率)の低下を強いられている状況だ。
 こうした地銀について、国有の4大AMCに管理を任せる構え。過去にも同様の例があり、2015年には長城資産管理が徳陽銀行を、16年には東方資産管理が大連銀行を傘下に収めている。
 中国のバッドバンクに当たる4大AMCは、1990年代に国有銀行の不良債権処理部門として設立された。華融資産管理(2799/HK)、信達資産管理(1359/HK)、東方資産管理、長城資産管理の4社。中国にはこのほか、地方政府系のAMCも多く存在する。
 中国の中小地銀に関しては、内モンゴル自治区を拠点とする包商銀行の接収(今年5月)をきっかけに財務不安が広がる状況。経営不安がささやかれる錦州銀行(416/HK)に対し、地元の遼寧省政府が救済に乗り出す――との情報も伝わっている。報道によると、遼寧省政府は域内の金融機関を招集し、錦州銀行の流動性リスクをいかに解決するかについて会議を実施。「中国工商銀行(1398/HK)が支援に名乗りをあげた」との情報も出ている。


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