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  ニュース     2019/09/17 18:59

中国:人民銀がMLF金利据え置き、「利下げ」期待後退 無料記事

 中国人民銀行(中央銀行)は17日、市中銀行向けの貸し出し「中期貸出ファシリティー(MLF)」を通じ、2000億人民元(約3兆560億円)を市場に供給したと発表した。期間1年物で、金利は3.30%に据え置き。市場ではこれ以前に、人民銀がMLF金利の引き下げによって市場金利の低下を促すとの見方が一部で広がっていたが、この期待が外れた格好だ。MLFの実施規模も、この日の満期到来分(MLF:2650億人民元、リバースレポ:800億人民元)を下回り、正味1450億人民元の吸収超となった。
 企業の資金調達コストを引き下げるため、人民銀は8月から銀行貸し出しの新たな指標となる金利を導入(毎月20日朝に公表する)。最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」の算出方法を見直し、MLF金利に連動するようにした。このため、MLF金利が引き下げられれば、これに連動するLPRも低下の余地が拡大する。なお、制度見直し後の8月20日に発表されたLPRは、1年物で4.25%とこれ以前の4.31%から0.06ポイント低下。新設された5年物は4.85%という水準だった。
 人民銀の金融政策を見極める上で、本日のオペが市場の注目を集めていた。MLF金利の据え置きについて、地場ブローカーの山西証券は「足元で消費者物価指数(CPI)がやや高い伸びを示していること、サウジアラビア石油施設攻撃を受けて原油相場が上昇していることなどを考慮した可能性がある」と分析している。


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