ニュース 2019/09/19 19:53
中国:「車載電池」寡占加速、大手10社の生産シェア96.4%
経済・統計
中国の車載電池業界で大手メーカーによる寡占化が進行している。中国汽車動力電池産業創新連盟の最新統計によると、上位10社の生産シェアは8月に96.4%まで拡大。前月からさらに上昇した。この背景には、新エネルギー車(NEV)販売の低迷がある。業界競争が激化するなか、体力のない中小業者を中心に淘汰が一段と進行していくことは必至だ。
中国の容量ベース車載電池生産量は、8月に前月比で16.6%増えたものの、前年同期比では0.4%減の6.7GWh(670万kWh)に低迷している。うち、ニッケル、マンガン、コバルトを正極材とした「三元系(NMC)リチウムイオン電池」は前年同期比20.8%増の4.6GWhに増えたが、正極材料にリン酸鉄リチウムを使う「リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFe電池)」は26.9%減の2.1GWhに落ち込んだ。それぞれ全体の68.5%、31.1%を占めている。残りの少数はマンガン酸リチウム電池とチタン酸リチウム電池。企業別生産シェアは、上位3社で77.9%、上位5社で85.5%にそれぞれ拡大した。
1〜8月の累計では、生産量が前年同期比44.9%増の合計55.8GWh。NMC系は80.2%増の36.3GWh(全体比率65.0%)、LiFeは2.3%減の17.4GWh(同31.1%)で推移した。上位3社で70.2%、上位5社で79.1%、上位10社で90.1%に達している。
8月の車載搭載ベース販売量は、前年同期比17.1%減の3.5GWh。前月比でも26.4%減少した。電池種別では、EV(電気)乗用車生産の伸びに支えられて、NMC系が前月比で30.5%増えたものの、EVバスの大幅減産が響いてLiFeは74.6%も減少している。1〜8月にかけた累計では、前年同期比65.7%増の38.2GWhに拡大した。
自社製電池が実際に車両搭載された企業は、7月の47社から8月の44社と月次で3社減った。8月の搭載シェアは、上位3社で80.8%、上位5社で87.1%、上位10社で93.9%の高水準で推移した。寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)が2.31GWhで独走態勢を持続。これに比亜迪(BYD:1211/HK)の0.32GWh、合肥国軒高科動力能源(国軒高科:002074/SZ)の0.16GWhで続いた。
補助金減額と市況低迷の二重苦を背景に、中国NEV販売は足もとで急失速している。8月は2カ月連続の前年割れに沈んだ。中国汽車工業協会の発表によれば、8月の販売は前年同期比15.8%減の8万5000台。うちEVは6.0%減の6万9000台、プラグインハイブリッド車(PHV)は41.3%減の1万6000台に低迷している。
一方、充電インフラ整備は順調に推進されている。中国電動汽車充電基礎施設促進連盟のまとめによれば、8月末時点で全国に整備された公共充電器は会員企業の報告ベースで、前年同期比63.5%増の45万6000基に拡大。方式別では、交流式26万5000基、直流式19万基、交流・直流一体式549基の内訳だった。
また会員完成車メーカーがサンプル車93万8000台から抽出したデータによると、8月末時点で自家用充電器を保有するEVは62万5000台、未保有EVは31万3000台を数え、未保有率は33.4%となっている。この背景には、不動産管理会社との交渉難や車庫の未確保などがあると分析された。
全国に整備されたEV用充電器は、前年同期比67.8%増の108万基に増えた。公共・自家用を合わせ、1〜8月新設数は前年同期比で37.4%増の27万2000基に伸びている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
中国の容量ベース車載電池生産量は、8月に前月比で16.6%増えたものの、前年同期比では0.4%減の6.7GWh(670万kWh)に低迷している。うち、ニッケル、マンガン、コバルトを正極材とした「三元系(NMC)リチウムイオン電池」は前年同期比20.8%増の4.6GWhに増えたが、正極材料にリン酸鉄リチウムを使う「リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFe電池)」は26.9%減の2.1GWhに落ち込んだ。それぞれ全体の68.5%、31.1%を占めている。残りの少数はマンガン酸リチウム電池とチタン酸リチウム電池。企業別生産シェアは、上位3社で77.9%、上位5社で85.5%にそれぞれ拡大した。
1〜8月の累計では、生産量が前年同期比44.9%増の合計55.8GWh。NMC系は80.2%増の36.3GWh(全体比率65.0%)、LiFeは2.3%減の17.4GWh(同31.1%)で推移した。上位3社で70.2%、上位5社で79.1%、上位10社で90.1%に達している。
8月の車載搭載ベース販売量は、前年同期比17.1%減の3.5GWh。前月比でも26.4%減少した。電池種別では、EV(電気)乗用車生産の伸びに支えられて、NMC系が前月比で30.5%増えたものの、EVバスの大幅減産が響いてLiFeは74.6%も減少している。1〜8月にかけた累計では、前年同期比65.7%増の38.2GWhに拡大した。
自社製電池が実際に車両搭載された企業は、7月の47社から8月の44社と月次で3社減った。8月の搭載シェアは、上位3社で80.8%、上位5社で87.1%、上位10社で93.9%の高水準で推移した。寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)が2.31GWhで独走態勢を持続。これに比亜迪(BYD:1211/HK)の0.32GWh、合肥国軒高科動力能源(国軒高科:002074/SZ)の0.16GWhで続いた。
補助金減額と市況低迷の二重苦を背景に、中国NEV販売は足もとで急失速している。8月は2カ月連続の前年割れに沈んだ。中国汽車工業協会の発表によれば、8月の販売は前年同期比15.8%減の8万5000台。うちEVは6.0%減の6万9000台、プラグインハイブリッド車(PHV)は41.3%減の1万6000台に低迷している。
一方、充電インフラ整備は順調に推進されている。中国電動汽車充電基礎施設促進連盟のまとめによれば、8月末時点で全国に整備された公共充電器は会員企業の報告ベースで、前年同期比63.5%増の45万6000基に拡大。方式別では、交流式26万5000基、直流式19万基、交流・直流一体式549基の内訳だった。
また会員完成車メーカーがサンプル車93万8000台から抽出したデータによると、8月末時点で自家用充電器を保有するEVは62万5000台、未保有EVは31万3000台を数え、未保有率は33.4%となっている。この背景には、不動産管理会社との交渉難や車庫の未確保などがあると分析された。
全国に整備されたEV用充電器は、前年同期比67.8%増の108万基に増えた。公共・自家用を合わせ、1〜8月新設数は前年同期比で37.4%増の27万2000基に伸びている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。