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  ニュース     2019/07/10 08:38

中国:蔚来汽車が急速充電サービス、蘇州で試験運用スタート 無料記事

 中国の新興電気自動車(EV)メーカー、上海蔚来汽車(NIO/NYSE)が急速充電サービスに乗り出す。江蘇省蘇州市に構える自社の製品納入センターで急速充電器「NIO Power Charger」の試験運用を開始した。9月までに全国各都市で設置作業に着手する。汽車之家などが9日付で伝えた。

 1カ所目のスーパー充電スタンドは、充電器4基を設置。1基当たり最大150kWの電力を供給できる。給電対象は自社製EVオーナーに限定した。自社初の量産SUV「ES8」と2車種目SUV「ES6」に対し、20→80%充電を30分で完了する。充電器のパネル操作はスマートフォンアプリで可能。アプリ上で充電状態も確認できる。

 自社製EV向けの充電サービスに関し、蔚来は家庭用充電、電池交換スタンド、アプリを活用した訪問充電「一鍵加電」(ワンクリック充電)の3種から成る「NIO Power」システムをすでに構築した。これに急速充電を加えて、EVオーナーの“電池切れ”への懸念をさらに緩和。自社EV販売に弾みをつける戦略だ。

 中国で“テスラキラー”と期待された蔚来は、足元で18年9月の米上場以来で最大の危機に直面している。自社EVに関して、わずか2カ月内で3回も発火事故が発生し、このほど「ES8」4803台のリコールを決定した。

 今年1〜3月の業績は、3億9000万米ドル(約420億円)の営業損失を計上している。「ES8」は同期販売が4000台未満にとどまった。経営体制の立て直しを急ぐ方針。蔚来の広報担当者によれば、過去数カ月で従業員3%に相当する300人をリストラした。

 蔚来は今年3月、上海市に建設予定だった新生産ラインのプロジェクト停止を公表。「上海市嘉定区にEV先進工場を整備することで現地政府などと17年に合意したが、計画撤回で関係各社と合意に至った」と簡潔に説明した。詳細な理由は明らかにしていないものの、中国政府の政策転換が影響した可能性が取り沙汰されている。現在は安徽江淮汽車集団(Jac motors:600418/SH)の既存工場に生産を委託中だ。

 蔚来汽車は14年11月25日に発足し、上海市嘉定区安亭鎮安馳路569号に登記された。中国のIT大手や投資会社で構成するグループが社業を支援。株主リストには、自動車販売サイト「易車網」の董事長兼最高経営責任者(CEO)である李斌氏や、自動車情報サイト「汽車之家」の創始者であり総裁の李想氏などが名を連ねた。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

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