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  ニュース     2019/09/20 18:59

中国〜アセアン経済関係緊密、デジタル分野などACFTA強化 無料記事

 一国主義や保護主義が台頭する中にあっても、中国とアセアン10カ国は揺るぎない貿易・経済協力関係を構築中だ。8月20日に正式発効した「中国ASEAN自由貿易協定(ACFTA)」のバージョンアップ版となる修正議定書は、原産地規則を大幅に改定するなどして各種貿易をより利便化。デジタル経済、電子商取引(EC)、スマートシティ、5Gなどの新分野に関しても、中国とアセアン加盟国間が協力しやすい仕組みを整えている。経済日報が20日付で伝えた。
 修正議定書の締結は、中国側の呼び掛けで実現したという。多国間貿易主義や自由貿易を堅持するという中国側の強いシグナルが発せられた。内容は物品貿易、サービス貿易、投資、経済技術協力などの分野に及び、従来協定を補完するだけでなく、レベルアップしている。
 物品貿易では、原産地規則と貿易利便化措置を最適化し、域内企業がFTAの恩恵を最大限に享受できるようにした。またサービス貿易と投資分野では、中国側が集中プロジェクト、建築プロジェクト、証券投資、旅行会社経営などに関して規制を緩和。インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスのアセアン側は商業、通信、建設、教育、環境、金融、観光、運輸の8分野で対中開放レベルを一段と高めた。
 アセアン諸国連合と中国の自由貿易地域を目指したACFTAは、中国にとって第1号、かつ最大規模のFTA。2002年に枠組み協定を交わし、10年に大半の品目について関税を撤廃し、本格的に発効している。中国とアセアン間の貿易額は02年の548億米ドル(約5兆9153億円)から18年には5878億7000万米ドルと、10倍以上に膨張。双方間の投資額は03年の33億7000万米ドルから18年の159億2000万米ドルと、約5倍に拡大した。
 アセアンにとって中国は10年連続で最大貿易パートナーの地位を維持。中国にとってもアセアンは今年上半期、米国を追い抜いて欧州連合(EU)に続く第2の貿易パートナーに躍進した。上半期の中国・アセアン貿易額は2918億5000万米ドルに拡大。通年で6000億米ドル越えが見込まれている。
 ベトナムと国境を接する広西チワン族自治区の首府・南寧市では、9月20日〜23日まで「第16回・中国-アセアン博覧会」が開催される。


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