シティグループは最新リポートで、吉利汽車（175/HK）の目標株価を16.40→9.30香港ドル（↓43％）に下方修正し、投資判断も「中立」→「売り」に引き下げた。「製品ライフサイクルの黄金期は過ぎ去った」と指摘したほか、コストの増加や投資回収率の低下を懸念している。複数メディアが5日伝えた。

　シティはまた、2019年の新車販売見通しを140万台に下方修正。これは自社販売目標（151万台）を下回る水準で、18年実績（150万838台）比で6.7％減となる。大型車市場への参入戦略でつまずく可能性があると分析し、20年、21年についてもそれぞれ162万台、169万台に下方修正した。

　予想純利益も減額修正し、19年が81億人民元、20年が109億人民元、21年が117億人民元と予測した。18年実績が125億5320万人民元だったことから、19年は35.5％の減益に転じる形となる。

　なお、吉利が発表した最新データによると、合弁生産の新ブランド車「Lynk & Co（領克）」を含むグループ全体の販売台数は今年5月に前年同月比27％減の9万309台に縮小。マイナス成長は2カ月連続で、減少率は前月の19％から拡大した。1〜5月の累計では、販売台数が前年同期比12％減の56万805台。年間目標（151万台）に対する進ちょく率は37％で推移している。

　中小型車に強みを持つ吉利汽車は、「吉利」「帝豪」「遠景」「自由艦」「金剛」「熊猫」などの自主ブランドを生産・販売する。近年はSUVの「吉利博越」などが人気。寧波、済南、成都など中国に9カ所の生産拠点を置き、年産能力は171万台に上る（18年末）。親会社がM&Aで海外開拓。吉利控股はこれまで、スウェーデンのボルボ・カーズ、マレーシアのプロトン・ホールディングス、英ロータス・グループを傘下に収めた。


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