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  ニュース     2020/07/20 18:59

中国:指標金利「LPR」、7月は3カ月連続で据え置き 無料記事

 中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸し出しの新たな指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」の1年物を3.85%に据え置いた。据え置きは3カ月連続。住宅ローン金利の指標となる5年物LPRについても、前月と同じ4.65%を維持している。市場の事前予想ではいずれも据え置きが見込まれており、想定通りの結果となった。
 人民銀・貨幣政策司の郭凱副司長は今月10日の時点で、企業の資金調達コストを一段と引き下げ、実体経済を支援する必要があるとコメント。ただ、経済成長率などと比較して金利が低すぎた場合、資金が不適切な方向に流れる恐れがあるとも指摘し、適切な金利水準を見極めていく考えを示している。
 また、市場関係者の間では当局がインフレを警戒しているとの指摘もみられる。中国では現在、長江流域で大雨による洪水被害が続き、食品などを中心に物価が上昇している状況だ。6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比で2.5%と、前月実績(2.4%)から加速した。
 LPRは人民銀が2019年8月から公表を開始(毎月20日に発表)。従来のLPR算出方法を見直し、MLF金利に緩やかに連動するようにした。うち1年物LPRは「実質的な政策金利」とも呼ばれ、制度の見直し以降、19年8月、9月、11月、20年2月、4月の計5回引き下げられている。中でも今年4月の引き下げ幅は0.20ポイントに達し、新LPR導入後の2019年8月以降で最大となった。


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