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  ニュース     2020/08/04 18:59

アリババ系アント香港・上海同時IPO、調達規模アラムコ超えも 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)傘下で、電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を展開するマ蟻集団(アント・グループ)が予定する香港、上海での同時上場計画について、調達額が計300億米ドル(約3兆1850億円)に達するもようだ。本土メディアの財新が3日、消息筋情報として伝えた。これが事実なら、昨年12月に上場したサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコを上回り、世界で過去最大のIPOとなる形だ(アラムコの調達額は294億米ドル)。
 財新によると、アント・グループの企業価値評価額は2000億米ドル。今回のIPOに際し、株式15%を発行する計画で、うち10%を上海、5%を香港に振り向ける計画だ。IPOの最終的なスケジュールは未定だが、9〜10月にも実施される可能性があるという。
 アント・グループは7月20日にIPO計画を発表し、香港と上海の両証券取引所に同時上場する方針を明らかにした。上海では、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」に上場する計画。同社は株式上場について、「中国のサービス産業デジタル化と内需促進」という同社の目標を後押しすると説明。グローバル市場を開拓し、技術・イノベーション投資を拡大する助けになるとした。報道によると、同社はすでに中国国際金融(CICC)、シティグループ、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーを香港上場スポンサーに選定したとされる。
 アント・グループが展開する「アリペイ」は、中国最大の電子決済プラットフォーム。ユーザー数は中国本土を中心に13億人に達する。アリババの最新年報によると、2020年3月末時点で、アリババはント・グループに33%出資している。
 アント・グループが上場を目指す上海の「科創板」は、19年7月22日に取引をスタート。次世代IT技術、ハイエンド設備、新素材、新エネルギー、省エネ・環境保護、バイオ医薬品といった新興産業の発展を支援するとともに、インターネット、ビッグデータ、クラウド、人工知能(AI)と製造業の融合を図る狙いで創設された。


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