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  ニュース     2020/03/02 18:59

中国:自動運転“成熟度”で百度が首位に、米ウェイモ追い抜く 無料記事

 自動運転実験の先進地、米カリフォルニア州で2019年に走行した自動運転車のうち、離脱率が最も低かった企業は中国IT大手の百度(BIDU/NASDAQ)だった。18年首位の米グーグルを追い抜いている。“離脱”は、技術的故障や安全走行の必要性から自動運転モードを解除し、人による運転に切り替える行為を指す。走行距離に対する離脱回数の比率を示した「離脱率」は、自動運転技術の成熟度を測る重要指標となる。米カリフォルニア州車両管理局(DMV)の最新報告で示された。
 走行距離10万8300マイル(約17万4300km)に対する百度の離脱率はわずか0.055%。前年の4.86%から4.805ポイントも高めた。走行距離も前年実績(1万8093マイル)の5倍に増えている。一方、ウェイモは走行距離で145万4137マイルと独走態勢を維持したものの、離脱率は0.076%と百度に0.021ポイント及ばなかった。
 19年にカリフォルニア州で自動運転実験を実施した企業の総走行距離は約288万マイル。離脱率の上位10社は、中国企業で4社を占めた。オート・エックス(AutoX)が0.094%で4位(走行距離3万2052マイル)、広州小馬智行科技(pony.ai)が0.0154%で5位(17万4845マイル)、滴滴出行(Didi Chuxing)が0.682%で8位(1万1730マイル)につけている。
 このほか19年は、BMW、トヨタ自動車(7203/東証)、日産自動車(7201/東証)、メルセデス・ベンツ、上海汽車集団(600104/SH)などがカリフォルニア州で自動運転実験を実施。離脱率ランキングでは、上海汽車が18位、日産が20位と比較的上位に食い込んでいる。
 カリフォルニア州で自動運転の公道実験を許可された企業は、19年末時点で64社を数える。前年末比で16社増えた。うちWamyo、Aurora、AutoX、Zoox、小馬智行の5社が客を乗せた状態での試験商用運転を許可されている。
 ただ、一部の専門家からは、「自動運転システムの性能面で離脱率に意味はない」という指摘もある。その理由として◆自動運転システムがいつ離脱するかについての基準がないこと(各企業は自由に定義を決定できる)、◆離脱率が走行場所に大きく依存すること――を挙げている。交通量や障害の少ない地域でテストした場合、サンフランシスコのような都市環境でテストした場合より離脱率が低くなるためだ。ウェイモはこの件についてコメントし、2月27日に公式ツイッターで「離脱率の指標では、自動運転システムのパフォーマンスを他社と比較できない」と説明した。


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