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  ニュース     2020/05/21 18:59

開示不十分なら上場廃止も、中国企業狙った法案を米上院可決 無料記事

米議会上院は20日、米国で上場する外国企業に対し、経営の透明性を求める法案を全会一致で可決した。米当局による会計監査状況の検査を義務付けるほか、外国政府の支配下にないことを証明するよう求める内容。中国企業を想定したものとみられ、情報開示が不十分と判断された場合には上場廃止を迫られることになる。
 可決された法案「外国企業説明責任法」は2019年に提出されたもので、今後下院で可決され、大統領が署名すれば成立する。米国で上場する外国企業について、米上場企業会計監督委員会(PCAOB)による監査法人の定期検査を義務付けるもので、3年連続で拒否すれば上場廃止となる。また、外国政府による保有状況の開示も義務付けられる。
 同法案は具体的に名指ししていないものの、中国企業をターゲットにしたものだ。一部メディアでは、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)や百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ)など、米市場に上場する中国企業の多くが上場廃止になる可能性があると指摘されている。
 こうした中、21日の香港マーケットでは米国に上場する中国企業のくら替えが加速するとして、香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が買われる展開。これ以前にも、京東商城(JD/NASDAQ)や網易(ネットイーズ:NTES/NASDAQ)が近く香港での新規株式公開(IPO)を始動するとの情報が伝わる中で注目度が高まっていた。香港証取株は21日まで5連騰している。
 なお、香港証取は18年4月に上場規程を改定し、「種類株」を発行するなど加重投票権(Weighted Voting Rights:WVR)構造を採用する企業に上場の道を開いた。これを受けて19年11月、前出のアリババが香港に重複上場を果たしている。


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