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  ニュース     2019/10/28 19:40

伊藤忠が深セン普蘭徳と資本・業務提携、リユース電池再利用 無料記事

 伊藤忠商事(8001/東証1部)は28日、中国本土で車載用電池のリユース、リサイクル事業を展開する深セン市普蘭徳儲能技術有限公司と資本提携すると発表した。リチウムイオン二次電池事業に関する取り組みの一環。伊藤忠は普蘭徳儲能技術が実施する第三者割当増資を引き受ける形で、車載用電池のコンテナ型定置用蓄電池への再利用ビジネスに乗り出す計画だ。
 2016年創業の普蘭徳儲能技術は、電気自動車(EV)に搭載される車載用電池のリユース、リサイクル事業を手がける。創業メンバー、技術陣の大半は大手EVメーカーで電池の開発に携わった経験を持つ。同社は車載用に使用されたリユース電池(※)を回収し、診断、グレーディング、再構成する独自の要素技術を保有。高い技術力が評価され、EV・電池メーカー中国大手の比亜迪(BYD:1211/HK)と取引関係がある。
 中国では、2010年代半ばからEVの販売が増加し、世界に先駆けて市場が拡大している。一方で、過去販売されたEVに搭載された電池が今後大量に市場へ出回ることが予想されており、使用済み電池の有効活用が大きな課題となっている状況だ。伊藤忠は普蘭徳儲能技術との資本・業務提携を通じて、コンテナ型定置用蓄電池へ転用可能な品質レベルのBYDなどのリユース電池を安定的に調達する。
 世界中で導入が進む再生可能エネルギーの本格普及には、出力変動の受け皿となる蓄電池の導入が不可欠。伊藤忠はこれまで培った定置用蓄電池ビジネスの知見を生かし、リユース電池を活用したコンテナ型定置用蓄電池をベースに、従来コストの問題で蓄電池の導入が困難だった電力変動の調整弁や電力過疎地でのマイクログリッド化など新たな市場領域へ競争力のあるエネルギーサービスを提供していく。

※リユース電池とは、EVに搭載され一定期間使用されたが、電池の残存容量が新品時の8割程度あり、非車載用途で再利用が可能な状態にある電池のことを指す。車載用電池では、残存容量が8割を下回る状態になると取り外して交換することが一般的となっている。


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