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  ニュース     2020/01/07 19:51

中国新興EV勢「連携」の動き、苦境打破へ集団戦 無料記事

 国内新エネルギー車(NEV)市場に寒風が流れ込むなか、競合他社との連携によって逆境を乗り越えようとする動きが中国の新興電気自動車(EV)メーカーの間で出てきている。上海蔚来汽車(NIO/NYSE)と広州小鵬汽車科技(XIAOPENG MOTORS、小鵬汽車)はこのほど、EV充電サービス領域での提携を発表した。それぞれ独自展開するEV急速充電ステーションを両社グループで共有する。EVオーナーにより快適な充電体験を提供していくことで合意した。この動きは業界内で、「過酷な市場情勢の下、EV新興勢が“集団で暖を取る”戦略を模索し始めた重要シグナル」と受け止められている。北京日報が6日付で伝えた。
 合意書によると、蔚来と小鵬は全国にそれぞれ配置する給電ポールに関して、その分布データや決済プロセスを相互連携する。蔚来が独自開発したカセット式バッテリー交換システム「NIO POWER」のデータも共有対象に含んだ。
 一方、浙江零ホウ(足へんに包)科技有限公司も同業他社との提携機会を探っていく立場。同社関係者は、「市場環境が大きく変化するなか、ライバル社との提携はNEVメーカーにとって現実的な選択肢になった」と語った。
 自国企業を実質的な優先給付対象としてきた中国のNEV補助金制度は、2020年末の満了が決定されている。米テスラ(TSLA/NASDAQ)をはじめとする海外勢が中国EV市場の開拓を加速するなか、中国自主ブランド勢の生存余地は一段と圧縮されている情勢だ。
 事実、新興EV勢には強い向かい風が吹きつけている。19年に量産態勢に入った蔚来、小鵬、零ホウなどはいずれも年初目標未達が確実視される状況だ。蔚来の19年販売は2万565台。見かけ上は目標を超過達成したものの、販売苦戦の内情に変わりない。蔚来汽車は19年出荷予測を2万300台に再設定。年初時の4万台から半減している。
 低価格車路線を打ち出している威馬汽車技術有限公司(Weltmeister)もさえない。19年販売は1〜11月時点で1万5355台と蔚来に続く新興勢2位につけたものの、年初に掲げた「年間10万台」の強気販売目標に対する進捗率はわずか15.35%にすぎないためだ。
 新興勢の販売上位5社に入る残り3社、小鵬、合衆汽車、零ホウの19年1〜11月出荷台数はそれぞれ1万2960台、7385台、1000台。11カ月の通年目標達成率は32.40%、24.62%、10%に停滞している。


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