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  ニュース     2019/11/21 18:59

中国:上海の一体化「給油・水素ステーション」、嘉定区で2カ所開業 無料記事

 上海市内で第1弾の給油所と水素燃料ステーションを一体化した複合施設が稼働した。現場は上海市嘉定区の「西上海油ケイ合建ステーション」と「安智油ケイ合建ステーション」。中国石油化工集団公司が設置し、ガソリンタンク2つ、軽油タンク2つ、水素タンク4つをそれぞれ備えている。先進レベルの水素関連装置と技術を導入した。水素燃料電池自動車(FCV)と燃油自動車に対応する。中国政府系メディアが20日付で伝えた。

 1日の水素供給能力は1カ所当たり1000キログラムに設定する。約100台の路線バス、物流車、乗用車にエネルギーを供給する予定だ。車両1台の水素供給に要する時間は4〜6分。航続距離は300〜400キロメートルに上る。

 上海市内では、FCV向けのインフラ整備が進んでいる。杭州湾北岸の上海化学工業区(上海化工区)では今年6月5日、世界最大の水素ステーションが完工した。敷地の面積は約8000平方メートル、1日当たりの最大供給能力は重量ベースで1900キログラム。FCV、タンク車、電気自動車などに水素ガスや電気を供給する。 

 上海市を中核とする長江デルタは、FCV普及で全国を先行する構えだ。中国汽車工程学会は今年5月24日、「長三角ケイ走廊建設発展規画」を発表。2019〜21年の第1段階、2022〜25年の第2段階、2026〜30年の第3段階にかけた水素・燃料電池戦略ロードマップを公表した。第1段階は長江デルタFCV産業の基礎を確立し、FCVの普及モデルを選定。水素供給ステーションを整備し、高速道路4本でFCVの利用を奨励する。上海市を中心に、蘇州市、南通市、如皋市、寧波市、嘉興市、湖州市、張家港市に基盤を整える計画だ。FCVの保有量は5000台以上、水素ステーション40カ所(うち高速道路8カ所)を目指す。

 第2段階はFCVの応用・発展期と位置付ける。基幹技術を掌握し、重点都市間を結ぶ合計10本以上の高速道路でFCV利用を推奨。FCVの利用範囲も拡大する。FCVの保有量は5万台以上、水素ステーション200カ所(うち高速道路36カ所)を想定した。

 第3段階は長江デルタ全都市、高速道路20本以上に水素供給ステーションを設置する。世界的に影響力を備えたFCV応用エリアを形成し、中国全体を先導する予定だ。FCVの保有量は20万台以上、水素ステーション500カ所(うち高速道路48カ所)を目標に設定する。

 中国全体では、足もとで完成車メーカー41社がFCVの生産に関与。56車種が完成した。20省・市以上がFCV振興策を定めている。水素ステーションは運営中が25カ所、建設中が45カ所。FCV産業向けの投資は、18年だけでも850億人民元(約1兆3100億円)を超えた。

 各年のFCV生産実績は、16年が628台、17年が1103台、18年が1618台。19年6月時点では、全国のFCV保有が3000台を超えた。


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