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  ニュース     2020/08/17 18:59

中国:富士康の青島進出、「中国半導体業界に貢献」=専門家 無料記事

 台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)世界最大手、鴻海精密工業(ホンハイ:2317/TWSE)の中国事業体、富士康科技集団(Foxconn)が7月に山東省の青島西海岸新区で半導体のハイエンド・パッケージング・テスティング(封止・検査)工場を着工したことについて、山東師範大学物理・電子科学学院の講師、孫建輝氏は、富士康と中国半導体産業の双方にメリットをもたらすとの見方を示した。市場調査会社トレンドフォース傘下のDRAMエクスチェンジが伝えた。

 孫氏は、青島は半導体産業に一定の基盤を持っていたものの、封止・検査分野が欠落していたと説明。富士康が同分野に参入することで、設計や製造メーカーとの協力で完全なサプライチェーンを構築でき、半導体産業における同社の競争力は大幅に向上すると指摘した。

 なお、富士康は山東省煙台にコンシューマエレクトロニクス製品を生産する工業団地を設置しており、青島の半導体封止・検査工場が煙台の製品生産を支援することが想定される。

 孫氏はまた、富士康の青島進出は半導体産業の現地化と技術の蓄積を促し、中国半導体産業のレベル向上に貢献するとの見方も示した。

 富士康の青島工場は、ファンアウト型ウエハーレベルパッケージング技術(FOWLP)などの先端封止技術を、第5世代(5G)移動通信や人工知能(AI)製品向けチップに応用する。2021年に生産準備を完了し、25年までに生産規模を採算レベルにまで引き上げる。月産能力は12インチウェーハ換算で3万〜12万枚。投資額は当初600億人民元と報じられていたが、実際は15億人民元(約230億円)のもようだ。


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