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  ニュース     2020/08/07 18:59

トランプ大統領、中国バイトダンスと取引禁止を命令 無料記事

【亜州ビジネス編集部】 トランプ大統領は6日、中国IT大手の北京字節跳動科技(バイトダンス)について、米国での取引を禁止する大統領令に署名した。禁止措置は45日後に発効となる。プレスリリースによると、今回の措置は、米国人の個人情報がアプリを通じて中国共産党に流出する脅威に対処する狙い。バイトダンスは著名な短編動画投稿アプリ「TikTok」を運営している。

 トランプ大統領はまた、中国IT大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が運営するSNS・決済アプリ「WeChat」についても、同様の大統領令にサインした。「(発効する45日後以降)『WeChat』に絡むテンセントとの米国内の取引を禁止する」と説明している。取引禁止の対象は45日後、商務長官が特定する見通し(取引禁止の対象はあいまいだが、現地メディアによるとテンセントが保有・出資するゲームメーカー、映画・音楽関連企業は対象外のもよう)。

 米トランプ政権はこのところ、中国ハイテク企業向けの規制を一段と強化しつつある。米国務省は5日、中国共産党など悪意ある攻撃者から市民のプライバシーと企業の機密情報を守るため、「クリーン・ネットワーク(Clean Network)」を拡張する計画を発表したばかり。新たに◆クリーンキャリア(中国通信キャリアを米通信ネットワークに接続させないこと)、◆クリーンストア(米モバイルアプリストアから中国製アプリを削除すること)、◆クリーンアプリ(中国製スマートフォンのアプリストアから信頼できるアプリを削除し、提携しないこと)、◆クリーンクラウド(米国人の機密情報や企業の知的財産をアリババ、バイドゥ、テンセントなどのクラウドシステムに保存しないこと)、◆クリーンケーブル(グローバルインターネットに接続するための海底ケーブルを破壊から防ぐこと)――という5つの取り組みを立ち上げている。法的拘束力はないものの、米国企業に対し、通信やインターネットに関する中国製品・サービスとの決別を促している格好だ。

 ポンペオ国務長官は同日の記者会見で、「中国拠点の親会社を持つ『TikTok』や『WeChat』などのアプリは、中国共産党のコンテンツ検閲のためのツールであることは言うまでもなく、米国民の個人情報に対する深刻な脅威となっている」とすでに言及していた。また、商務省や国防総省と連携し、中国クラウドサービスプロバイダーが米国市場でデータを収集、保存、処理する能力を制限する方針も示している。



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