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  ニュース     2020/05/07 18:59

「反中感情」天安門以降で最悪、米中武力衝突も想定=中国シンクタンク 無料記事

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、発生源とされる中国への反発が高まっている。中国の有力シンクタンク、中国現代国際関係研究院(CICIR)はこのほど、世界の反中感情が1989年の天安門事件以来の水準に悪化する恐れがあると指摘した。こうした反中感情は米国が中心となり、米中の武力衝突という最悪のシナリオも想定する必要があると警鐘を鳴らしている。外電が4日、消息筋情報として伝えた。
 消息筋によると、CICIRはこれらの内容をまとめたリポートを作成。国家安全部が先月初め、習近平国家主席を含む最高指導部に同リポートを提出した。CICIRは1980年代まで、中国政府に外交面や安全保障面での提言を行っていたとされる。ただ、同外電はリポートを直接確認しておらず、また、このリポートにどの程度の影響力があるかは不明という。
 報道によれば、CICIRはリポートの中で、米政府が中国の台頭を「経済や安全保障に対する脅威」とみなしていると指摘。また、「民主主義にとっての挑戦」ともみており、国民の信頼を低下させることで中国共産党の弱体化を狙っているとした。
 さらにCICIRは、反中感情の高まりが中国の「一帯一路」戦略の障害になるとも分析。米政府が同盟国への金融・軍事面での支援を強化することで、アジア情勢が不安定化するとみている。
 同リポートについて一部では、中国版の「ノヴィコフ電報」と捉える向きもあるという。「ノヴィコフ電報」とは、1946年にワシントン駐在のソ連外交官ニコライ・ノヴィコフが打った電報で、第二次世界大戦の勃発前、米国による経済的、軍事的な野望の危険性について警鐘を鳴らしていた。


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