詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

  ニュース     2020/05/25 18:59

アリババ1〜3月期に88%減益、売り上げは2ケタ増確保(詳報) 無料記事

 中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が22日引け後に発表した第4四半期(2020年1〜3月)決算は、売上高が前年同期比22%増の1143億1400万人民元(約1兆7275億円)、純利益が88%減の31億6200万人民元となった。特殊要因を除く調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は1.15人民元。新型コロナウイルス流行の影響で営業利益が19%減の71億3100万人民元に縮小したほか、保有株式の株価下落による投資損失の計上が減益要因。1月末からの新型コロナ感染拡大を受け、中国コアコマース事業の一部にマイナスの影響が出た。ただ、売上高は2ケタ増を確保。中国小売事業やクラウド事業が増収に貢献した。
 主力のコアコマース部門では、売上高が19%増の938億6500万人民元に拡大。新型コロナ流行を背景としたレストランなどの大規模閉店を受け、フードデリバリー「餓了麼(ウーラマ)」を含む生活サービス事業は8%減収となったものの、Eコマースサイトの「淘宝網(タオバオ)」や「天猫(Tモール)」を含む中国小売事業が21%増の709億500万人民元と堅調。中国小売事業では、フィード広告やライブコマース「淘宝直播(タオバオライブ)」の収入が伸びたほか、「盒馬(フレッシポ)」「天猫超市(Tモール・スーパー)」など直販業務が貢献した。
 「阿里雲(アリババ・クラウド)」を擁するクラウドコンピューティング部門は、売上高が58%増の122億1700万人民元とさらに伸びが大きい。他部門も軒並み増収で、デジタルメディア・エンターテイメント部門(優酷土豆、アリババ・ミュージックなど)が5%増の59億4400万人民元、イノベーションイニシアチブ・その他(オートナビ、AliOSなど)が90%増の22億8800万人民元を売り上げた。
 20年3月期の本決算は、売上高が前年比35%増の5097億1100万人民元、純利益が70%増の1492億6300万人民元という結果。中国コアコマース事業の年間アクティブ購入者は7億2600万人と、前年比で7200万人(↑11%)増加している。グループ全体の総取引額(GMV)は7兆530億人民元に達した。
 21年3月期の売上高は6500億人民元超を見込む。前年実績比で28%以上の増収となる見通しだ。
 阿里巴巴は世界トップクラスのEコマース企業。1999年に馬雲(ジャック・マー)氏が設立した(19年9月に会長引退)。「淘宝網(タオバオ)」や「天猫(Tモール)」など個人向けECサイトを運営するほか、越境ECの「天猫国際」、BtoBの「1688.com」も展開。EC以外では、宅配スーパー「盒馬」、フードデリバリー「餓了麼」、動画ストリーミング「優酷」、クラウドサービス「阿里雲」などを傘下に擁する。海外事業では、16年に東南ア同業のラザダを買収している。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース