ニュース 2020/02/10 18:59
中国:春節7日間の経済損失、小売・観光で1兆元
経済・統計
新型コロナウイルスの感染拡大による中国経済への影響が懸念されている。中国恒大集団(3333/HK)系の恒大研究院がこのほど発表したリポートによると、当初の春節連休7日間で、小売・外食、観光、映画といった消費市場が受けた経済的損失は1兆人民元(約15兆7300億円)余りに達した。これは2019年1〜3月期の国内総生産(GDP:21兆8000億人民元)の4.6%に相当する規模だ。複数メディアが10日までに伝えた。
リポートによると、小売・外食業界、観光業界の経済的損失は7日間で各5000億人民元に達した。映画業界では、新型コロナウイルスの感染拡大によって70億人民元の興行収入が失われたという。
例えば、レストランチェーン大手、眉州東坡酒楼の創業者である王剛氏によれば、新型コロナウイルスによる肺炎患者が増加する中、1月21日から同月末までに1万1144組が予約をキャンセルし、これによる損失は1700万人民元に上った。春節期間の売上高については、当初は前年比20%増を予想していたが、実際は大幅な落ち込みを強いられている。
一方で恒大研究院は、今回の新型肺炎が中国経済にもたらす影響は、02〜03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)と比べて大きいと予測。もともと中国経済の下振れ圧力が強まっていたこと、外部環境が悪いことなどを理由として挙げた。ただ、新型コロナウイルスはSARSウイルスに比べ、感染性が強いものの致死率は低いこと、過去の経験から政府の対応が素早いことなどに言及した上で、中国経済にもたらす影響はSARS時よりも短期間にとどまるとみている。
なお、S&Pグローバル・レーティングは7日、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を考慮し、中国の20年GDP成長率見通しを従来の5.7%から5.0%に引き下げた。新型肺炎によるインパクトは、主に1〜3月期に集中し、3月には基本的に沈静化するとみている。21年は反動により、GDP成長率が6.4%に加速すると予測した。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
リポートによると、小売・外食業界、観光業界の経済的損失は7日間で各5000億人民元に達した。映画業界では、新型コロナウイルスの感染拡大によって70億人民元の興行収入が失われたという。
例えば、レストランチェーン大手、眉州東坡酒楼の創業者である王剛氏によれば、新型コロナウイルスによる肺炎患者が増加する中、1月21日から同月末までに1万1144組が予約をキャンセルし、これによる損失は1700万人民元に上った。春節期間の売上高については、当初は前年比20%増を予想していたが、実際は大幅な落ち込みを強いられている。
一方で恒大研究院は、今回の新型肺炎が中国経済にもたらす影響は、02〜03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)と比べて大きいと予測。もともと中国経済の下振れ圧力が強まっていたこと、外部環境が悪いことなどを理由として挙げた。ただ、新型コロナウイルスはSARSウイルスに比べ、感染性が強いものの致死率は低いこと、過去の経験から政府の対応が素早いことなどに言及した上で、中国経済にもたらす影響はSARS時よりも短期間にとどまるとみている。
なお、S&Pグローバル・レーティングは7日、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を考慮し、中国の20年GDP成長率見通しを従来の5.7%から5.0%に引き下げた。新型肺炎によるインパクトは、主に1〜3月期に集中し、3月には基本的に沈静化するとみている。21年は反動により、GDP成長率が6.4%に加速すると予測した。
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