業界団体の中国広告協会はこのほど、急速に市場が拡大するライブコマースに関し、国内初となるガイドラインを発表した。「刷単」「炒信」と呼ばれる“サクラ行為”を禁止するほか、虚偽広告や詐欺広告、消費者に誤解を与える広告の配信を禁じる内容。7月1日付で実施される。

　ガイドラインの名称は「網絡直播営銷行為規範」。同規範では、架空の注文をして購入記録を作り、架空の取引を評価し、優良店舗であると見せかける「刷単」「炒信」と呼ばれる行為を禁止している。また、ライブ配信の「主播（MC）」がプラットフォームにログインする際の実名認証を義務付ける（画面上はニックネーム表示が可能）などの規定が盛り込まれた。

　同規範の順守状況は中国広告協会がモニタリング、評価を行い、違反者には訓戒、改善勧告などを行う。法律違反の疑いがある場合は、政府当局に調査などを要請する格好だ。ただ、罰金・罰則などの強制力はないため、どの程度の効力があるかは未知数となっている。

　中国コンサルティング会社の艾媒諮詢（iiMedia Research）が先ごろ発表したリポートによると、国内ライブコマース産業の規模は2020年内に1兆人民元（約15兆1000億円）に達し、前年比で倍増する見通しだ。19年の規模は4228億人民元だった。


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