ニュース 2020/05/20 18:59
中国:指標金利「LPR」5月は据え置き、リバースレポも引き続き停止
政策・政治
中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸し出しの新たな指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」の1年物を3.85%に据え置いた。住宅ローン金利の指標となる5年物LPRについても、前月と同じ4.65%を維持している。市場の事前予想ではいずれも据え置きが見込まれており、想定通りの結果となった。
LPR据え置きについて市場関係者の間では、「足元の実質貸出金利がすでに低下傾向にあるため」との指摘が出ている。先月のLPR大幅引き下げを受け、市中銀行による企業向けの貸出金利は大きく低下した。なお、4月の引き下げ幅は1年物が0.20ポイント、5年物が0.10ポイントで、ともに新LPR導入後の2019年8月以降で最大となっている。
また、人民銀は足元で市場への資金供給ペースを鈍化させている状況だ。20日まで34営業日連続でリバースレポ取引による資金供給を行っていない。その理由について人民銀は、「足元の銀行システムの流動性は合理的で十分な水準にある」と説明した。今月15日には、1年物の「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じて1000億人民元を供給しているが、前日に過去実施分(2000億人民元)が満期を迎えたことから、差し引きでは吸収超となっている。15日実施のMLFでも金利が2.95%に据え置かれた。
ただ、LPRに関しては今後も引き下げ余地が残るとの見方が優勢だ。海外での新型コロナウイルス感染拡大により、中国のマクロ経済にも一定の影響が出るとみられるため。景気対策として、人民銀は緩和的な金融政策を継続すると予測されている。
LPRは人民銀が19年8月から公表を開始(毎月20日に発表)。従来のLPR算出方法を見直し、MLF金利に緩やかに連動するようにした。うち1年物LPRは“実質的な政策金利”とも呼ばれ、制度の見直し以降、19年8月、9月、11月、20年2月、4月の計5回引き下げられている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
LPR据え置きについて市場関係者の間では、「足元の実質貸出金利がすでに低下傾向にあるため」との指摘が出ている。先月のLPR大幅引き下げを受け、市中銀行による企業向けの貸出金利は大きく低下した。なお、4月の引き下げ幅は1年物が0.20ポイント、5年物が0.10ポイントで、ともに新LPR導入後の2019年8月以降で最大となっている。
また、人民銀は足元で市場への資金供給ペースを鈍化させている状況だ。20日まで34営業日連続でリバースレポ取引による資金供給を行っていない。その理由について人民銀は、「足元の銀行システムの流動性は合理的で十分な水準にある」と説明した。今月15日には、1年物の「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じて1000億人民元を供給しているが、前日に過去実施分(2000億人民元)が満期を迎えたことから、差し引きでは吸収超となっている。15日実施のMLFでも金利が2.95%に据え置かれた。
ただ、LPRに関しては今後も引き下げ余地が残るとの見方が優勢だ。海外での新型コロナウイルス感染拡大により、中国のマクロ経済にも一定の影響が出るとみられるため。景気対策として、人民銀は緩和的な金融政策を継続すると予測されている。
LPRは人民銀が19年8月から公表を開始(毎月20日に発表)。従来のLPR算出方法を見直し、MLF金利に緩やかに連動するようにした。うち1年物LPRは“実質的な政策金利”とも呼ばれ、制度の見直し以降、19年8月、9月、11月、20年2月、4月の計5回引き下げられている。
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