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  ニュース     2020/06/12 18:59

中国:北京が新インフラ推進、自動運転「レベル4」道路網整備 無料記事

 中国の国家政策に掲げられた「新インフラ整備」に関して、首都・北京市がこのほど2020〜22年までの3カ年アクションプランを発表した。交通領域では、高級自動運転(「レベル4」以上)を支持する高信頼・低遅延の専用道路ネットワークの整備加速――を提示している。電動車向け充電器を最低5万基、電池交換スタンドを100カ所ずつ建設するという計画も掲げた。

 IoV(車のインターネット)に関して、自動運転実験区におけるV2X(車車間通信・路車間通信)施設の整備・改良を急ぐ構え。エッジクラウド、リージョンクラウド、セントラルクラウドの3段階体制のクラウドコントロールプラットフォームを確立する。向こう3年内に「コネクテッド・ロード」(つながる道路)を総延長300キロメートル(?)敷設。総面積300平方?を超すモデル区を完成させる。

 また、スマートシティも実現する構想だ。市内1148カ所の交差点にスマート街路灯を年内設置。2851カ所の信号機改造も進める。

 このほか産業スマート化に関して、「インターネット+」概念に基づく物流網構築や、金融公共データ特区の開発、スマート工場などの建設を推進すると明示。人工知能(AI)、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、IoTスマートセンサー、ブロックチェーンなどの技術を総合活用して、新しい治安プラットフォームを形成させるという青写真を提示した。

 中国は独自の自動運転レベル区分を定める。当局の工業和信息化部(工業情報化部)は先ごろ、推奨国家標準として「自動運転自動化分級」を公示した。21年1月1日の適用を目指す。「レベル0〜5」の6段階に区分け。「自動運転」のイメージに該当するレベルは「3」以降となる。

 「レベル0」はステアリング操作、加減速をドライバーがすべて操作。「レベル1」はステアリング操作、加減速の一部をシステムがサポートする。「レベル2」は「レベル1」の機能に加えて、目標物や状況変化の検知・対応能力を一部備える。「レベル3」は、特定の運行条件でシステムが全てを操作。緊急時はドライバーが運転を引き継ぐ。「レベル4」は高度自動運転、「レベル5」は完全移動運転と定義。いずれも運転に関わるすべての操作をシステムが行う。緊急時に人が運転を引き継げない場合でも、最小限のリスクにとどめるようシステムが危険を自動回避する。運転手は完全に“乗客”へと変わり、運転席がない車両設計も可能だ。うち、「レベル5」は場所の限定なくシステムがすべて操作できるようになる。

 一方、世界の自動運転技術は区分が4つ。運転手が全ての主制御系統を操作する「レベル0」、加速、操舵、制動のいずれかをシステムが補助する「レベル1」、加速、操舵、制動のうち複数をシステムが補助する「レベル2」、加速、操舵、制動の全システムが補助し、必要に応じてドライバーが対応する「レベル3」、完全自動走行を実現する「レベル4」に分けられる。


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