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  ニュース     2020/04/28 18:59

中国初の自動運転向け「道路技術標準」、意見公募開始 無料記事

 自動運転に関連する中国初の「道路技術標準」が制定される。交通部は26日、「自動運転に適応した道路付属設備整備プロジェクトの全体技術規範(意見募集稿)」を公表した。将来の道路付属施設に関して、車路間無線通信システムや、100メートルあたりの誤差0.1メートル以下の3D高精度マップ(ダイナミックマップ)基盤を備えるよう要求。交通標識・標示のデジタルサイネージ化や、自動運転専用レーンの設置も推進する内容を盛り込んだ。
 自動運転の新領域に関して、中国はすでに産業応用化の前期に位置すると指摘。現有道路の一部、またはすべてで車両の完全自動運転が可能となるよう、道路付属施設に関して技術標準を設けることは重要な意義があると強調した。
 自動運転に適応した道路付属施設とは一般的に、交通安全施設や道路管理施設、ダイナミックマップや位置測定機器、路側コンピューティング施設などのその他付属施設・機器を指す。これら領域にはすでに複数企業が進出。関連技術開発や道路実験を進めている。
 自動運転技術の適応という角度でみれば、一部の現有道路付属施設が直接利用可能な一方、一部は改良を要する。意見募集稿では、「閉鎖環境にあり、かつ路面構造が平坦な高速道路や一級道路は、自動運転対応レベルアップ工事が容易」と指摘。手始めとして、高速道路や一級道路の自動運転専用レーンや自動運転専用道路に対して、技術標準を適応させていくべきとの認識が示された。
 中国はまた、独自の自動運転レベル区分を定める。当局の工業和信息化部(工業情報化部)は先ごろ、推奨国家標準として「自動運転自動化分級」を公示した。2021年1月1日の適用を目指す。「レベル0〜5」の6段階に区分け。「自動運転」のイメージに該当するレベルは「3」以降となる。
 「レベル0」はステアリング操作、加減速をドライバーがすべて操作。「レベル1」はステアリング操作、加減速の一部をシステムがサポートする。「レベル2」は「レベル1」の機能に加えて、目標物や状況変化の検知・対応能力を一部備える。
 「レベル3」は、特定の運行条件でシステムが全てを操作。緊急時はドライバーが運転を引き継ぐ。
 「レベル4」は高度自動運転、「レベル5」は完全移動運転と定義。いずれも運転に関わるすべての操作をシステムが行う。緊急時に人が運転を引き継げない場合でも、最小限のリスクにとどめるようシステムが危険を自動回避する。運転手は完全に“乗客”へと変わり、運転席がない車両設計も可能だ。うち、「レベル5」は場所の限定なくシステムがすべて操作できるようになる。
 他方、世界の自動運転技術は区分が4つ。運転手が全ての主制御系統を操作する「レベル0」、加速、操舵、制動のいずれかをシステムが補助する「レベル1」、加速、操舵、制動のうち複数をシステムが補助する「レベル2」、加速、操舵、制動の全システムが補助し、必要に応じてドライバーが対応する「レベル3」、完全自動走行を実現する「レベル4」に分けられる。


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