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  ニュース     2021/05/13 19:00

中国:車走行データ管理強化へ、海外持ち出し制限 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】「コネクテッドカー」の増加を受け、中国政府は自動車の走行データなどの管理を厳格化する。国家互聯網信息弁公室(国家インターネット情報弁公室:CAC)は12日、17年に施行した「網絡安全法(サイバーセキュリティー法)」などの法律に基づき、「自動車データ安全管理規定」の草案を発表した。同草案の主旨は、自動車メーカーなどが車両の走行情報などを収集する際に顧客の許可を得ることを義務付けるもの。また、重要なデータを海外に持ち出す場合には当局の許可を得ることを義務付けている。
 規制の対象は自動車メーカーだけでなく、部品・ソフトウエア提供者、ディーラー、配車サービス運営会社、保険会社なども含まれる。また、管理対象となるデータとしては◆軍事管理区や国防機関などの重要地域における車・人の交通データ、◆道路上の車両の種類、交通量など、◆顔認証や音声認識のデータ、◆政府公認の地図よりも精度が高い測量データ、◆充電ネットワークのデータ――などが挙げられた。
 さらに草案によると、規制対象となるデータは国内に保存し、海外に持ち出す場合は当局の安全評価を受ける必要がある。また、これらデータは自動車の設計、製造、サービスに直接関わる目的での使用に限ると明言した。
 同弁公室は6月11日までパブリックコメント(意見公募)を行う予定。その結果を踏まえて、正式に公布する運びだ。
 一部メディアでは今回の規制について、米電気自動車(EV)大手のテスラを狙い撃ちしたとの見方も示されている。テスラは12日夜、同規則を支持し、全面的に協力するとのコメントを発表した。
 テスラは先に、中国ユーザー専用のデータベースを年内に構築し、公開する方針を明らかにした。ただ、中国ではテスラが収集した個人情報の漏えいに対して不安の声も上がっている。また、中国当局はテスラが自社車両を通じて情報を集めることを警戒。軍人や情報機関員のテスラ利用や軍事施設周辺でのテスラの運転を禁じた。


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