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  ニュース     2021/03/29 19:00

中国:「カーボンニュートラル」実現投資、40年で2330兆円規模へ 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国国際金融(CICC:3908/HK)の研究チームはこのほど、中国の「カーボンニュートラル」目標達成に向けて必要なグリーン投資総額が139兆人民元(約2330兆円)に上ると試算した。うち2021〜30年に22兆人民元、2031〜60年に117兆人民元に上ると予測している。CICCが開催した「カーボンニュートラル2060」オンラインメディア発表会の情報として、中国新聞網が伝えた。
 中金研究院の周子彭・エコノミストによれば、産業別のグリーン投資ニーズは電力事業が67兆4000億人民元で最大。以下、交通運輸事業が37兆4000億人民元、建築事業が22兆3000億人民元となっている。
 電力事業では、主にクリーン発電設備として、太陽光発電で16兆2000億人民元、風力発電で14兆3000億人民元を要するという。交通運輸事業では、将来的に電気自動車(EV)がガソリン車と代替されることから、同生産台数が大幅に増加し、新エネルギー自動車とそれに対応するエネルギー生産向け投資が拡大する見通し。航空・海運の低炭素化や新エネルギーインフラ構築にも多額の設備投資が必要で、運輸業界全体の投資需要は高まるとみている。
 中国のグリーン金融システムにとって、膨大なグリーン投資・融資需要にいかに対応するかが大きな課題だ。グリーン発展の目標を順調に達成するために、中国は統一のグリーン金融基準を策定。グリーン情報開示メカニズムを構築し、政策的インセンティブを改善、豊かで多様なグリーン金融市場を総合的に発展させ、グリーン投資概念の育成を強化し、環境リスクを規制政策の検討に組み込む必要があるとCICCは提言している。
 中国の習近平・国家主席は20年9月22日、2060年までに二酸化炭素(CO2)排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するとの目標を掲げた。2030年までにCO2排出量をピークアウトさせ、減少に転じさせることを目指す。


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