【亜州ビジネス編集部】中国の新車販売市場で、ディーラー在庫の指標が前月比でやや悪化している。業界団体の中国汽車流通協会はこのほど、2021年6月の「自動車ディーラー在庫早期警戒指数（VIA）」が56.1で推移したと報告した。前年同期比で0.7ポイント低下（＝改善）したものの、前月比では3.2ポイント上昇している。節目の50を依然として超えた。

　南方エリアの悪化が目立つ。梅雨に伴う天候の悪化、広東省（広州市、仏山市、深セン市など）の新型コロナウイルス防疫などの影響が及んだ。

　7月の動向に関しては、前月比で新車販売台数の約5％減少を見込んでいる。山東省、重慶市、河南省などの農村部で老朽車両の買い替え奨励イベントが開催されるものの、一部の車種は車載半導体チップの不足で減産を強いられると予想した。

　6月の地域別VIA動向は、北方エリア（北京市、河北省、河南省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区、山西省）が53.3→54.5（前月比↑1.2ポイント）、東方エリア（安徽省、江蘇省、山東省、上海市、天津市、浙江省）が54.5→56.8（↑2.3ポイント）、西方エリア（甘粛省、貴州省、陝西省、四川省、新疆ウイグル自治区、雲南省、重慶市、寧夏回族自治区、青海省、チベット自治区）が58.3→54.6（↓3.7ポイント）、南方エリア（福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、湖北省、湖南省、江西省）が54.4→60.0（↑5.6ポイント）で推移した。

　ブランド形態別のVIAは、前月比で輸入車・高級車が52.7→54.4、合弁が55.0→56.1、中国自主が57.7→58.7に変動した。総じて悪化している。

　VIA（Vehicle Inventory Alert Index）は製造業購買担当者景気指数PMIの算出法と類似。50を下回ると自動車在庫が適正レベルにあることを示す。逆に数値が高いほど、需要の低迷、在庫圧力の上昇、経営圧力の増大を示唆する。


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