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  ニュース     2020/11/04 19:00

中国:シリコンウェーハ、国産化推進に課題山積 無料記事

 中国が半導体産業の振興に注力する中、原料のシリコンウェーハは、一部の生産プロジェクトで量産が始まったものの国産化比率は低く、同業界の発展には引き続き課題が山積している。シリコンウェーハは生産工程が複雑で技術ハードルが高い。中国は技術の蓄積や、鍵とな人材を欠くハンデキャップがある。DRAMエクスチェンジが2日報じた。

 川上材料の多結晶シリコンウェーハは、日韓や欧米のメーカーからの輸入に依存している。単結晶育成装置や研磨装置などの設備は国内でも開発と生産が行われるに至ったものの、質量や精度など全体的水準は依然輸入品と格差がある。上海市嘉定区のシリコンウェーハメーカー、上海滬硅産業集団(688126/SH)は、単結晶引き上げ装置の調達は主に海外からで、国産は一部と説明した。

 半導体業界のある関係者は、国内でも12インチシリコンウェーハの生産が始まっているが、多くの半導体メーカーは調達に消極的で、中国製はテスト用にしている企業もあると説明した。万一問題が見つかった場合、数千万米ドルの損失が発生しかねないためだという。

 投資回収までの期間が長いこともシリコンウェーハメーカーにとって頭の痛い問題だ。2018年に12インチ製品の量産を実現し、19年に月産能力を15万枚に拡大した上海新昇半導体科技有限公司も、今年上半期は引き続き損失を計上している。

 ただ、製品の国産品代替需要は大きく、政府の支援もあり、今後はメーカーの生産拡大に伴って国産化スピードが速まるとみられる。

 なお、最近は新たに山東有研半導体材料有限公司と徐州キン晶半導体科技有限公司(キンは金が3つ)がシリコンウェーハの生産を開始した。

 山東有研は10月16日、徳州経済技術開発区(山東省徳州市)でシリコンウェーハと単結晶シリコンインゴット工場の生産開始式典を実施。プロジェクト第1期では、投資額18億人民元(約282億円)で年産量276万枚の8インチウェーハ、180万枚の6インチウェーハ、300トンの直径12〜18インチの単結晶シリコンの生産ラインを設けた。

 徐州キン晶も同日、安徽省徐州市の12インチシリコンウェーハ工場が量産を迎えた。第一段階の現時点では月産10万枚の生産ラインが稼働し、23年に月産60万枚のフル稼働が実現するという。


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