中国共産党・中央財経委員会は17日の会議で、所得の再分配などを促す「共同富裕」の実現に向けた基本方針を確認した。中間所得層の比率を拡大し、低所得層の所得を増やすことで、中間層が厚い「オリーブ型」の構造を形成する構え。また、税金や社会保険などを利用して高所得層の所得を調整するとともに、高所得者・企業に対して社会還元を増やすよう促していく方針が示された。
　国営メディアの新華社通信が17日伝えたもの。中国では改革開放以来、経済成長を優先する「允許一部分人、一部分地区先富起来（先に富める者、地域から豊かになればよい）」が原則とされてきたが、足元では社会的平等をより重視する「共同富裕」が強調されている。
　習近平政権は農村部を中心とする貧困撲滅を積極化。一方で、多数の富裕層を生み出した国内インターネット産業に対する締め付けを強化している。
　中国政法大学の施正文・教授は、「共同富裕」の目標の下、今後一段と税制改革が進むとの見解を示した。所得税など直接税のウエート拡大が必要で、間接税（増値税など）のウエートを下げることは企業の負担軽減にもつながると指摘している。なお、施教授によると、中国の直接税と間接税の税収ウエートは現時点で3：7という水準だ。


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