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  ニュース     2019/03/18 14:02

中国:米バクスター蘇州工場にデータねつ造疑惑、元従業員が通報 無料記事

 グローバルヘルスケア企業の中国生産拠点に関し、生産時のデータねつ造、検査の不備などの不祥事が指摘された。蘇州工場に務めていた元従業員が暴露。イリノイ州ディアフィールドに本拠を置く米バクスターインターナショナル(BAX/NYSE)側は認めていないものの、証拠とされる写真画像などが拡散されている。経済日報などが18日付で伝えた。
 グローバル・ヘルスケア企業として、バクスターは中国に最も早い1980年代に進出。子会社の百特(中国)投資有限公司、百特医療用品貿易(上海)有限公司を設立したうえで、上海市、蘇州市、杭州市、天津市に合計5カ所の独資、または合弁工場を立ち上げた。百特医療用品貿易に所属していた黄さんは、傘下の蘇州工場で大規模なデータねつ造などの不正が横行していたと指摘。腹膜透析具や「百唯安」ブランド製品の生産過程で記録が改ざんされていたと告発している。検査で不合格となった場合でも、不合格の記録を削除し、そのまま合格品として外部出荷していたと説明した。
 一方、百特医療用品貿易は反論する立場。16日、「黄さんは不実の情報を流している」とのコメントを発表した上で、法的な措置に入った事実を強調した。蘇州工場では2018年末以降、合計3回にわたる検査を実施したものの、いかなる問題も見つかっていないと説明している。
 一方、黄さんによれば、国家食品薬品監督管理局に通報済み。これを受けた同局は、2月25日までに蘇州市市場監督管理局とともに共同調査に着手したという。
 バクスターを巡っては、百特医療用品貿易傘下の天津百特医療用品有限公司が問題視された経緯がある。天津市の食品薬品監督管理局は18年12月11日、設備・生産の管理などの不備を指摘。GMP認証を一時はく奪した。ただ、問題は改善されたと認定し、早くも同月29日にGMP認証が再び与えられている。


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