【亜州ビジネス編集部】中国の消費活動が足元で引き続き減速している。中国国家統計局は16日、2021年5月の小売売上高が前年同期比12.4％増の3兆5945億人民元（約61兆8613億円）だったと発表した。増加率は市場予想（14.0％）と前月実績（17.7％）を下回っている。19年5月との比較では9.3％増。直近2年の平均成長率は4.5％だった。
　うち自動車製品を除く5月の小売売上高は13.2％増の3兆2257億人民元。一定額を超える消費品の小売売上高は12.7％増の1兆3214億人民元だった。エリア別の小売売上高は、都市部が12.3％増の3兆1313億人民元、農村部が13.2％増の4632億人民元といずれも上向いた。
　小売売上高の内訳は、飲食が26.6％増の3816億人民元（うち一定規模を超える販売単位40.8％増の924億人民元）、商品販売が10.9％増の3兆2129億人民元（うち一定規模を超える販売単位は11.1％増の1兆2291億人民元）。商品販売のうち、宝飾品が31.5％増、飲料19.0％増、酒・たばこが15.6％増などと2ケタの伸びを示す一方、家電・映像機器、通信機材、自動車は1ケタ増にとどまった。
　2021年1〜5月の全国累計では前年同期比25.7％増の17兆4319億人民元（約300兆29億円）だった。増加率は市場予想（26.3％）、1〜4月実績（29.6％）を下回っている。
　うち自動車製品を除く累計の小売売上高は24.4％増の15兆6304億人民元に拡大した。一定額を超える消費品の小売売上高は29.9％増の6兆3974億人民元。うち実物商品のネット通販は、全国で19.9％増の3兆9377億人民元に伸びた。小売売上高に占める商品ネット通販額の比率は22.6％となっている。エリア別の小売売上高は、都市部が26.0％増の15兆1546億人民元、農村部が23.5％増の2兆2772億人民元だった。
　小売売上高の内訳は、飲食が56.8％増の1兆7789億人民元（うち一定規模を超える販売単位は54.2％増の4035億人民元）。商品販売が22.9％増の15兆6529億人民元（うち一定規模を超える販売単位は28.1％増の5兆9939億人民元）。穀物・油脂・食品（9.5％増）を除いて、いずれも2ケタ増となった。自動車、衣料・靴・帽子・紡織品、宝飾品、家具、石油、石油製品などの上げが目立つ。うち自動車は37.8％増加した。


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