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  ニュース     2021/08/03 19:00

「第3世代半導体」振興、中国政府が169兆円投資を決定 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国政府は第3世代半導体の研究開発(R&D)と生産に10兆人民元(約169兆円)の投資を決定した。第14次5カ年計画(2021〜25年)にも盛り込んでおり、今後5年間を同分野の発展のための鍵となる時期と位置付けている。ブルームバーグの報道として、3日付台湾・経済日報が報じた。 
 科学技術部、工業和信息化部(工業情報化部)、ハイテク研究機関、大学・専科学校、分野の首位企業で組織された「第3世代半導体産業技術創新戦略連盟(CASA)」が今年6月に発表した「第3世代半導体産業発展報告2020」によると、中国の2020年の第3世代半導体産業の生産額は7100億人民元に上る。この大部分を占める半導体照明産業は、新型コロナウイルスの流行の影響を受けて前年比7.1%減の7013億人民元に落ち込んだ。一方、炭化ケイ素(SiC)と窒化ガリウム(GaN)の電力電子産業は54%増の44億7000万人民元。GaNマイクロ波・高周波産業は80.3%増の60億8000万人民元に拡大している。
 第3世代半導体では、◆中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)、◆上海韋爾半導体(ウィル・セミコンダクター:603501/SH)、◆江蘇卓勝微電子(マックスセンド・マイクロエレクトロニクス:300782/SZ)、◆北京天科合達半導体股フン有限公司(タンケブルー・セミコンダクター)、◆河北同光晶体有限公司(フーベイ・サンライト・クリスタル)、◆泰科天潤半導体科技(北京)有限公司(グローバル・パワー・テクノロジー)、◆三安光電(サンアン・オプトエレクトロニックス:600703/SH)、◆英諾賽科蘇州半導体有限公司(イノサイエンス)──など、各分野の大手企業が相次いで生産拡大に乗り出した。第3世代半導体産業が拡張期に入ったことを示している。
 第3世代半導体の代表的な化合物、GaN、SiCは、第1世代のシリコンやゲルマニウムなどと比べて放熱効率が高く、高電圧、高電流への耐性が優れるなどの特性を持つ。このため、第5世代(5G)通信基地局や電気自動車(EV)、軌道交通などの用途に応用されるケースが多い。



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