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  ニュース     2021/10/29 18:00

アップル供給網、中国企業が初めて台湾上回る 無料記事

 アップル(AAPL/NASDAQ)のサプライチェーンに関し、中国企業の割合が初めて台湾企業を上回った実態がスマートフォン新機種「iPhone13」の関連データで明らかになった。10月28日付DRAMエクスチェンジが報じた。
 アップルが今年公表したサプライヤー上位200社のうち中国企業は96社を数える。最多の48%を占めた。今年は電子機器の受託製造サービス(EMS)の立訊精密工業(ラックスシェア:002475/SZ)が初めてiPhoneの組み立てに参入。また、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ:200725/SZ)と舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー:2382/HK)が有機EL(OLED)パネルとレンズで韓国勢と台湾勢の独占を打破した。BOEのiPhone13向けの供給量は1500万枚に達し、現時点で調達全体の10%を占めると伝えられる。
 アップルサプライヤーはかつてパネル、メモリーを日韓企業が供給。台湾勢が組み立て、電池モジュールなどを独占していたが、中国企業はこの5年、技術力の向上によって韓国・台湾企業との差を縮めた。サプライチェーンの地図を塗り替えている。
 スマートフォンやタブレット端末のODM(相手先ブランドによる設計・生産)業務が中心だった聞泰科技(ウイングテック・テクノロジー:600745/SH)は、2020年に蘭IDM(垂直統合型デバイスメーカー)のネクスペリア(中国名・安世半導体)を買収し、アップルパワーデバイスのサプライヤーに躍進した。21年には欧菲光集団(オーフィルムテック:002456/SZ)のレンズモジュール事業を買収し、同製品もアップルへの供給を開始。最近は「Macbook」22年度新機種の組み立てを単独受注したと報じられた。事実であれば、広達電脳(クアンタ・コンピュータ:2382/TW)、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー:2317/TW)の台湾勢に取って代わり、アップルサプライチェーンにおいてさらに地位を高めることになる。
 アップルサプライチェーンの中国企業数が増えている事実は、中国のハイテク製造の実力が国際社会で評価を高めたことを意味する。今後も技術力の向上に伴い、さらに存在感を増す可能性がありそうだ。


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