【亜州ビジネス編集部】中国製の新エネルギー自動車（NEV）が輸出を急拡大させている。業界団体の中国汽車工業協会によると、2021年のNEV輸出は、前年比304.6％増の概算31万台規模に達した。その内訳は、乗用車が329.5％増の30万台、商用車が59.6％増の1万台に上る。汽車縦横が8日に伝えた。

　NEV海外輸出台数の上位は、上からテスラ、上汽集団、東風汽車、華晨BMW、大慶ボルボ、比亜迪（BYD）、江淮汽車、吉利控股、宝能汽車、宇通客車の順となっている。テスラを筆頭とする外資勢は、NEV輸出全体の3分の2を占めた。ただ、中国民族系ブランドも躍進が目立つ。乗用車と商用車を同時に海外展開する上汽集団は、21年の輸出実績が5万4000台に上った。

　中国民族系ブランドの主要なNEV輸出先は、欧州と東南アジア。欧州では英国、ノルウェー、ドイツ、フランス、ベルギー、イタリア、スペイン、ポルトガルに販路を広げた。複数の中国専門家は、NEVの海外輸出に大きな伸びしろがあるとみている。

　付加価値の高いNEV製品は、輸出額の伸びをけん引した。中国民族系ブランドNEV製品の欧州小売価格は、1台当たり平均で3万米ドル（約346万3000円）に上昇している。税関統計によると、2021年1〜9月にかけた中国製NEVの輸出額は、前年同期比515.4％増の54億9800万米ドルにまで拡大したという。


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